やきもの日和

やきものを作ったり俳句を作ったり

#俳句、川柳

七月の俳画

猫と木槿 先日の大雨で、家の前の橋に流木が引っかかってしまって大変でした。この頃の雨って、激しさが昔とは違いますね。 さて今月の俳画、なぜか気合い入れて塀の上を歩いている猫さん。句は 着くづれて木槿の花にもどりけり おるか 暑い日にお出かけして…

六月の猫俳画

なんとなく画面のバランスが決まらなくて、描きこんでいるうちに、俳句を書くスペースがなくなってしまった。ともかく句は 葉に葉触るささめきごとに昼寝覚め おるか ささめき、漢字は私語、ひそやかにささやき交わすこと。「ささめきごと」もおなじです。字…

リアル句会、金沢にて

久しぶりに、リアル句会。 金沢の閑静な住宅街の、不思議な色の鉄線の咲いているお家にお招きいただいて句会をしました。実際に対面しての句会は久しぶりで楽しかったです。 集まったのは、私を入れて五人でした。それぞれ、論考を本にまとめられていらした…

四月の俳画 残花の森の猫

見にくいですが、画面全体に花が散ってるんです。 残花は満開に遅れて咲くさくら。余花は青葉のころにわずかに開いてしまう花です。どれもいいものですよね。 散る花の木にスリスリする巨大猫さん。 句は 残花なら踏むべし道は迷ふべし おるか 生意気盛りの…

黒田杏子の桜花の句

戴いた色紙の句という、ひどく限られた範囲での感想ですが、言葉の繰り返しの多いのが印象的です。俳句という極限的に短い形で同じ言葉を使うのは、かなり勇気がいると思うのですが、中央の色紙では、 花の闇お四国の闇われの闇 杏子 と三つも闇が使われてい…

黒田杏子先生御逝去

俳人黒田杏子氏がお亡くなりになられました。御倒れになられたその前日、笛吹市の講演会場で手を振って別れたときのお顔が目に浮かび、いまだに信じられない思いです。 私は山の中に住んでいて、あまり人にも会わず暮らしていますが、毎月黒田先生にあてて投…

山並み遠に春は来て

山盧後山の辛夷 先週末、山梨県笛吹市境川の山盧文化振興会へ、行ってきました。山盧は飯田蛇笏、龍太、秀實三代のお住まいのお邸、俳句の聖地です。 旧家でたいそう立派なお邸とうかがっていましたが、思ったよりこじんまりした印象でした。きっと明治のこ…

今月の俳画

今年も俳画、猫さまと季節のなにか、を描くことにしました。 ギャラリーの皆様が「癒される」と言ってくださるので、嬉しくなって「仰せのままに!」いうわけです。褒められるとすぐその気になる御しやすい性格なんです。 句は ものの芽のきき耳たててならび…

12月の俳画 日向ぼこ

句はずいぶん昔に作ったものですが、 天網のかくもやはらか日向ぼこ おるか 天網とは、天の神様が張り巡らした網。「天網恢恢疎にして漏らさず」と、ことわざに言います。網にかかる、というのがあまり心地よい印象ではないので大概、悪い行いが、天の配剤に…

長谷川櫂氏講演「わかれの加賀路」

山中温泉こうろぎ橋 山中温泉、山中座で行われた長谷川櫂氏の講演を聞きました。奥の細道の朗読をはさみながらの楽しいお話でした。題は「わかれの加賀路」。良い題名ですね! 氏は、まず、「「奥の細道」を四つに分け、、往路の出発から歌枕を訪ねる前半、…

今月の俳画

庭の桜も、明日には満開になりそうです。 毎朝、新しい花の芽に出会えますし、春ってすばらしい。 四月の俳画も猫さんです。 句は 空色の蝶きて空のうごきけり おるか バタフライ効果ってやつですか。 空の光とか雲の流れとか一頭の蝶の動きが引き起こすわけ…

三月の俳画 猫のお雛様

今月は、俳画も猫のお雛様です。 何を描くか迷ったときは、猫! 句は 雛の日や子猫に夢を踏む遊び おるか ふみふみ です。フフ、ゴロゴロ喉を鳴らしながらふみふみする子猫ってかわいい。でも、拾った子猫だったりすると、「お母さん猫のこと思い出している…

十一月の俳画

絵はそのまま落ち葉。 句は 木もれ日に影の鳥くる神無月 おるか 神無月のカという明るく緋色を連想させる音とそのあとのン、そしてナというほの暗い音。まさに燃え落ちるような紅葉とその奥の闇を連想させます。 神様のいなくなった世界に影の力がうごめきだ…

十月の食卓 ニョッキのランチ

”もう秋だ、なぜ永遠の太陽を惜しむのか”ランボーの詩を思い出す今日の日の光。黄色くて斜めでまぶしくて。 赤絵の八寸皿に前菜。サラダとイワシのマリネ、無花果ヨーグルトソース。染付薔薇の花のお皿には、ありあわせのキノコとチーズのニョッキ。ニョッキ…

八月の俳画 

絵は秋明菊です 乱雑な絵ですが、温帯低気圧の風に吹かれた庭と、思っておゆるしください。 句は、 ひぐらしや小橋に雲の影を掃き おるか 先日の台風の成れの果てのせいで、木の枝が随分落ちて、翌日の朝、お掃除したんです。橋の下は、いつもの優しいせせら…

オリンピックつい見てしまって仕事がはかどりません。陸上競技大好きなんです。普段あまり見る機会がないので、世界最高レヴェルの競技をめにできるのが、私にとってはオリンピック最大の愉しみです。走るのが早いって、素敵ですよね。ホメロスもギリシアの…

俳画 鉄線

鉄線の花が満開です。 その名の通り、鉄線の蔓は、「なんで出来てるんだ!」って思う硬さですね。 ベランダの鉢からあふれだして、外の花石榴の枝をがっちりつかんでいます。ただ、蔓性植物植に往々見かけられるように、巻き付いた相手の表皮に食い込むよう…

俳画 木下闇

どくだみの花。五月の緑の中に印象的な白い十字。真ん中の黄色がご愛敬。 またの名を十薬というだけに、薬効があります。匂いが嫌われますが、お湯に放すとその匂いは一瞬で消えますので、よくお風呂に入れてドクダミ湯にします。消炎作用があるようですね。…

筍ご飯

これでもかとばかり筍の入った筍御飯。 京都の料亭八百忠さんからいただいた筍。さすがに「えぐみって何のことかしら?」とでも言いそうな貴婦人のごとき筍でした。 贅沢にタケノコ三昧のランチ。 さりながら竹の子御飯というよりは。竹の子に御飯がまぶして…

四月の俳画 新じゃが

新じゃが 新じゃがって芽を出す力が強いんですってね。使い残した小さなジャガイモ、見事に芽を出していました。台所の片隅で、密かにたぎらせるものがあったご様子です。 句は おほ寺の庫裡に音なくくれかぬる おるか 絵を描いてから考えるものですから、い…

晴れ間が見えて

蜘蛛の巣に露 大雨の予報で心配していたけれど、晴れ間が見えてきました。 蜘蛛の巣に雨粒が。真ん中の黒いのは古い竹の葉、かな? 蜘蛛の巣になほ露の玉華厳蔵 おるか(句集青花帖) 華厳の世界は光の世界です。煌く首飾りの無数の宝玉がお互いにお互いの光…

美しき石垣

ゆきのしたの石垣 石垣の岩の隙間から花を掲げて、大群落を成している、ユキノシタ草。 虎耳草とも書きます。葉っぱのふくふくした感じが猫科の耳みたいだからでしょうね。 鴨足草とも書くのも葉っぱの模様に注目したのでしょう。 花は、その形が大の字に似…

花頸の

百合開く 活けようとして、うっかり落としてしまった百合の蕾。 手にとると固く、しっかりしていて、蛹か繭のようでした。それが三日前の事。 盃にいれておいたら、仄かに赤みがさして、今朝は、あえぐようにほころび始めました。 こんな状態でも咲かねばな…

白鳥の群れ

白鳥を見た! 国道と人家の間の田んぼに白鳥の群れ。 移動しながら土をしきりにつついて何か食べています。。暖冬で刈り残された稲のヒコバエでもあったのでしょうか。 田んぼは ずっと広がって居るのに、なぜ一箇所に集まっているのでしょう。集団生活がみ…

弐月の朝粥 立春とは云うものの、今朝の寒さはどうでしょう。 家の中が冷え切っています。朝飯前に上絵の窯を出して、ざっとチェックして、さて朝御飯です。絵の具が流れてしまったり、ちょっと残念な器達。家で使う食器は皆そういうものなんです。窯から出…

九月の表紙

ホームページの表紙は、いつも昼食の写真なので、たまには変化も欲しい、と思い、 時間は早いけど、晩酌メニューにしてみました。 それでも、あんまり変わらないのはなぜでしょう。 ともあれ、九月の月を待ちながら一献の気分を楽しもうと思います。

今月の俳画

もう九月。暑いことは暑いけれど、夕暮れが早くなってきましたね。 木々の葉はまだまだ青いとは言うもののやや硬くなってきたことが風の音で分かります。 秋風の音です。まさに古今集秋の部一番の 秋来ぬと目にはさやかに見えねども風の音にぞおどろかれぬる…

連句、初折の裏から名残へ

月日は百代の過客とはいうもののあっという間に連句も名残の裏に突入しております。 大急ぎでこれまでの展開を書き出しましょう。 初折り裏 おにぎりの丸と三角春爛漫 佐藤 空中散歩してみたくなり 佐藤 沖縄の海に素肌の触れ合いて 西 落暉に染まる自撮りの…

里山雑記

ここ数年、「とちの木」という俳句誌に連載してきたエッセーをまとめて一冊の冊子にしていただきました。 「里山雑記」という名前です。 加賀の里山の、あけくれ、つれづれ。 三十部ほどしかないので、自分の忘備録みたいなものですね。 もう少し足りないと…

芭蕉の館連句会第二回

連句の間、しばらく開かずの間になっておりましたが、連句は今年の一月から再開しております。 毎月一度の連句会を、楽しく続けて、すでに六か月がたちました。 名残の表に突入しております。 今日のお部屋の床の間には、スカシユリの仲間でしょうか小さく可…