やきもの日和

やきものを作ったり俳句を作ったり

#工芸

上絵だしました。

秋うらら 麗らかな秋の日、上絵を出しました。ざっと見たところ問題なし、よかった。 唐子遊びのお椀は、豆彩という、染付の線描の上に上絵を重ねる技法です。見込みにも菊の莟がえがいてあります。 つまりこの楽しく遊んでいる唐子は菊慈童です。子供がお酒…

銀山の夏

銀山、ギヤマンと読み習わしています。夏は、ガラスの器が何といっても涼し気です。 今加賀市の丸八製茶場のギャラリーで金沢のトリブーショイ硝子工芸社の作品展が開かれています。器は使いやすそうで、オーナメントは愛くるしい。 写真のうつわの淡いセピ…

お椀あれこれ

新しいお椀を作ろうと思って、あるものを並べてみました。これまでさまざまのお椀を作ってきました。写真はほんの一部です。 お椀という形は、とても美しいので、作っても作っても飽きません。蕾のようにふくよかで、水滴のように自然です。人にとっての永遠…

六月の表紙 アフタヌーンティー

初夏と云うには熟し、梅雨にはまだほんの少し間のあるつかの間の眩い季節。緑って、こんな輝かしい色だったっけと日々に驚く。 仕事場で一人だけのアフタヌーンティーを作業机にひろげました。イギリス式の三段重ねのスタンドの代りに、手付き鉢など使って。…

今月の表紙 師走

神戸ワインを開けるには、 やっぱり牛でしょ、というわけで牛鍋。残念ながら神戸牛は手が出なかったので、ふつうの和牛です。その欲求不満があったせいか、ついキャビア買ってしまいました。愚かな私。 アドリア海の至宝ダ・ヴィンチのキャビアです。馬上盃…

絵替わり小皿 同じ形の器に、違う図柄の描いてあるものを絵替わりといいます。藍古九谷の代り皿には、まったく違う絵の描かれているのもあります。 大概は写真のように同テーマのヴァリエションが多いようです。 絵替わりは手間がかかる、めんどうといわれて…

弐月の朝粥 立春とは云うものの、今朝の寒さはどうでしょう。 家の中が冷え切っています。朝飯前に上絵の窯を出して、ざっとチェックして、さて朝御飯です。絵の具が流れてしまったり、ちょっと残念な器達。家で使う食器は皆そういうものなんです。窯から出…

壱月の表紙 祥瑞捻子菓子鉢 今月の表紙が見られないとお叱り戴いたので再度写真を載せました。ついでに祥瑞について、少し話しましょうか。 祥瑞と呼ばれる焼き物は中国の明時代の末期1628年ごろから景徳鎮でつくられた磁器です。くっきりした藍色に精緻な文…

絵付けを待つ器たち

漸く春めいてきました。 高島屋さんのグループ展に桜の文様の器を出そうと思っていたけれど、三月三十日からでは東京の花は咲いてしまっているかもしれませんね。 これから、色絵を描かれるのを待っている白い器たち。 薄青い影が春ですね。 このやや翳りを…

ひさびさです。夜の猫屋敷

ミケ様が長逝されてこのかた、猫文学研究もはかどらず、 ふと気がつくと猫の絵を描いては障子の敗れに貼っている今日この頃。 絵付けの部屋は、猫屋敷めいています。 上段の猫の絵の傍の爪あとはミケ様のおつけになられたものです。 そのときは「なんてこと…

夏野菜の山

お隣のおばーちゃんが無農薬で作っていらっしゃる夏野菜。 なんてきれい! 絵になるわ~。 この地物お野菜のおかげで、この夏もげんきにすごせそうです。 器は染付け芙蓉手大鉢です。 いつものモンスター・マスクより、多少描き込んだ図柄です…全然みえない…

一輪草がさきました。それとティー・カップ

川辺の一輪草がさきはじめました。年毎の春の先がけの花です。 莟を一茎きってテーブルに活けて置いたら静かに開き始めました。 ティー・カップが焼きあがりました。先年急逝された方のための特注です。 ご自身の一周忌のために「くちなしの花が良いわ」とご…

茶箱の愉しみ

今日は金沢の茶箱作家、T・kさんがいらっしゃって、新作の茶箱の、なんと言ったら良いのでしょう、組み立て?を二通りみせてくださいました。 来年『十二ヶ月の茶箱』(題名未定)という趣向の展覧会をご予定だそうで、今日はそのための新作を、いくつか披…

鶴を描く

鶴は今までにも色々描いてきました。それで、蕎麦猪口に描いて欲しいというご注文を気楽に引き受けたものの、なんだかうまくまとまらない。夕食を食べながら手近にあった紙に、なんとなく描き始めてしまった。お行儀悪いですね。 いつも広告の裏とかに描いて…

窯出しました

窯場から運び出して、まだ板の上に乗ったままの染付いろいろ。 芙蓉手大鉢も無事でした。 この部屋にあるのは、一応仕上がったものです。一応というのは、焼き物は使い込んで育てていただいて良くなるので、まだ途上にあるからです。 出発を待つ染付に嵐の空…

九谷焼美術館茶房で「涼味」展

図書館の帰り道、九谷焼美術館の茶房「古九谷」によりました。 5月29日から7月15日まで「涼味」と銘打って染付など涼しげな器をあつめた展示会をしています。大きい鉢なども出品しています。 花瓶に大山蓮華がいけてありました。ひさしぶりにあえて嬉…

鼎文様の皿

染付の八寸皿が焼きあがりました。鍔がついているので轆轤でいったんひいてから内型でしあげます。まんなかに描いたのは鼎です。鼎文様のことすこし書いて見ましょう。 鼎は古代中国の青銅器にはじまります。三本の脚のしたで火を焚いておなべのように湯を沸…

唐草唐草

唐草文様は不思議だ。壺の曲面や四角い額縁や、どんなかたちの上でも自由に増殖し繁茂して埋め尽くす。それ自体が命を持っているかのように見るものの視線をその渦の中に巻込んでゆく。 数千年も昔から人は唐草文様を描きつづけてきた。人のDNAのなかには…