やきもの日和

やきものを作ったり俳句を作ったり

2019-01-01から1年間の記事一覧

2020良い一年になりますように!

あけましておめでとうございます。 雪のない穏やかな新年を迎えることができました。まずはめでたい…のかな。折口信夫先生も、ろくに考えもせずに「おめでとう」などと言うな、とお怒りでしたが、ともかくも、気分が一新するのはそれなりに良いことでしょう…

柚子蒸し饅頭と十二月の俳画 実生ギャラリーに今月の俳画を持って行きました。 柚子の絵に俳句は すずめらの空消えてゆく雪催ひ おるか ちょうどこの日のお菓子が柚子蒸し饅頭でした。季節ですからシンクロニシテイというほどのことでもないですね。 「すず…

赤絵と冬の蕎麦猪口 速いものでもう師走。確かに何となく気持ちは焦ります。やっておけばよかった、と思うあれこれのものの影が、目の前に長く影を伸ばして、走っても走っても逃げ切れない。 忙しい時のお昼は、お蕎麦、です。越前蕎麦といえば、太めの田舎…

上絵をやきました このところ、パソコンの不具合でご無沙汰しておりました。 先週焼きあがった豆皿やネズミ箸置き等等。 上絵の窯を出すときは、いつも水原秋櫻子の句 天地のうららや赤絵窯を出づ 秋櫻子 をおもいだします。寿いでいただく気分で有難い一句…

猫さんの教え

a 日曜が思いがけず晴れていた。嬉しい。 一日がとても静かに暮れていこうとしている、幸せかもしれない。 猫さんが教えてくれたこと、その一 「幸せなのを恥ずかしがる必要はない。」 家族も友達もなく、業績もなく、金もなく若くもない。 そんな私でも、何…

十一月の俳画と口切のお抹茶 いつの間にか咲いては散っていた庭の山茶花。 雪国のせいか、葉裏に隠れるように蕾がついています。椿はそんなふうに雪国に適応した品種としてユキツバキ(藪椿の変種、亜種とする説もあります)がありますが、山茶花も同様なの…

時雨の晴れ間に寒ブリ買いに 時雨の晴れ間に買い物に出て、橋立漁港に上がったお魚を買いました。鰤がありました。今年はまだ鰤起こしは聞いていないけど、そろそろ季節です。北陸の寒ブリはおいしいですからね。鰈の塩焼きも「激ウマ!」とタグが付いていた…

今月の表紙 十月の俳画 山路の杜鵑草 杜鵑草は品種がいろいろありますが、裏庭にあるのは、山路のほととぎすです。名前の通り,山野草の風情があって全体に小ぶりで繊細な印象です。 葉っぱが虫に食われているのが、秋らしい、かな? 句は 筆洗ふ絵の具によ…

十月の表紙 木の葉形皿あれこれ

ベランダに朴の枯葉の散る音がします。手すりを這う蔦の葉は、少し色づき始めたくらい。この辺りの紅葉の見ごろはもう少し先のようです。温暖化のせいか、紅葉は遅くなりましたね。 春の花と秋の紅葉とどちらが好きかという問いは、おおざっぱすぎる質問では…

色絵の小さな植木鉢、雑草が良く似合う。 九谷焼美術館のカフェで菊花茶をいただきました。菊の香りとクコの実のほのかな甘み。 ガラスの蓋を傾けてチューチュー啜るのが、どことなく淫靡で好き。 色絵の植木鉢はわたしの作ったものです。カフェに置いていた…

はじめまして

ブログひっこしてきました。今までは「焼きもの日和」「という名前でした。 ホームページは「うつわ歳時記」です。 毎月の歌仙は、同じ はてなブログ の「かがなべて」に、 エッセーなどは「とちの木の実」に、こちらも少しづつ纏めるつもりです。 よろしく…

九月の表紙

ようやく涼しくなってきました。待ち焦がれた秋。キノコの秋ワインの秋読書の秋なんでも秋。 ワインはイタリアの北部ヴェネト州のモンテ・デル・フラのベイビー・アマローネといわれるもの。最高です。アマローネよりはやや軽めとは言うものの充分しっかりし…

虎の子

久しぶりで描いてみました、虎ねこ、もとい 虎の子四方小皿。 どんな生き物でも、子供は可愛いものですが、ネコ科の動物の子供は、造物主も夢中になって、惑溺して作ったに違いないと思われる愛らしさ。 描くのも楽しいので、百枚でも二百枚でも違うポーズで…

トカゲの秋

昨夜は上絵の窯を焚いたので、今日は仕事は夜だけにして、日中はのんびりすることにしました。 とはいっても掃除洗濯などで時間はあっという間に過ぎますね。窓を拭こうとあけ放つと、蝉の声に虫の声が混じっています。家の中を通り抜ける風がすずしい。 秋…

青い花

青い花 立秋を過ぎたと思ったら、台風続きである。今夕も大型台風が粛々と日本海を北上してくるらしい。明日は,ぬぐわれたような美しい朝が来ると信じて待とう。 徒然草の十九段、「折節の移り変わるこそものごとにあはれなれ」と、はじまって、良く引用さ…

俳誌 「岳」「 鬣」

「青花帖」に御批評を賜りましたので御礼まで。 「岳」は宮坂静生主宰、長野県松本市から発行されている俳誌です。 一月号と五月号とにどもとりあげていただいてありがとうございます。 五月号では句集縦横のコーナーに清水美智子氏の御批評をいただきました…

八月の俳画

タチアオイの図にタチアオイの句 本当は避けたいところなんですが。重々承知なんですけど、その…暑さのせいということでお目こぼしください。 絵はチョットいじりすぎてしまった。 去年の今頃も立ち葵描きましたが、その時は普通に水墨風に描いたので、ある…

中原道夫句集「彷徨(うろつく)」

美本! あまりにもカッコいい装丁なので床に倒れて悶えました。 こんな洒落た本、一度でいいから出してみたい、という身の程知らずな願いが、嫉妬のように身を噛みます。 表紙をめくると、漆黒の見返しに爬虫類の銀鱗がはしります。そして、とても小さな文字…

里山雑記より 蛇

蛇 石川県の一億三千年まえの地層から、蛇の祖先の化石が発見されたそうです。それには小さな手足があり、当然、そのための遺伝子があります。手足の進化の遺伝情報因子は、魚の鰭から、昆虫類,哺乳類、そして私達まで、ちゃんと保存されています。 しかし…

八月の表紙

暑くて、どうにも食欲がない。毎年の事なんです。去年の八月の表紙も、「お料理に火の前に立つのが嫌だ」って書きました。 お料理好きなんですけど、仕事がおしてきたりすると、ついつい手を抜いて、連日野菜サラダ。それも面倒になると果物です。 メロンが…

里山雑記

神戸から発行されている俳句誌「とちの木」に、ここ数年エッセーを書かせてもらっています。 「里山雑記」となづけています。 雑記の名前のとおり「心に浮かぶよしなしごと」を書き綴っているのですが、字数の制限がありますので、説明が不十分ではなかった…

冷たくて甘い

曇っていたので、そんな暑いとは思わなくて、普通に仕事していたら、何か変。 家の中にいたのに熱中症かも。 森八のキウイ葛饅頭で一服しました。 蜩が鳴いています。スウェーデンからの旅行者さんに「この音はいったい何‼」と聞かれたことを思い出しました…

歌仙「御代の春」の巻満尾

いよいよ名残の裏に入りました。 先月は 鉛筆立てて倒れる方へ 佐藤 と、寄る辺ないというか、どうせ、先のことは考えても分からないと思い切ったのか。 なるようにしかならないこの世の事情の一句で終わりました。さて、名残の裏一句目は冬の長句。 乗り越…

錦窯、窯出し

、まだ余熱の残る上絵の窯を出しました。 何百回焚いたかわからないのに、窯の上がり具合は、依然として不安なものです。 電気の窯を三層に分けて電流のスイッチ操作ができるので、それに合わせて中身を詰めています。一番上の段はどうしても温度が高くなり…

「ポケットに凍蝶」

戴いた句集。この三月に上梓された、河辺克美さんの第二句集です。 京都伏見にお住いの作者ならではの、いかにも京都らしい四季の折節の句材も魅力的ですが、何といっても特徴は、自在な遊び心でしょう。 神の蛇いそいでますと言ひて消ゆ 克美 愛想もないほ…

俳誌澤  愛媛新聞

今更なんですけど、わたくし、去年句集を出しました。それが思いがけず「星野立子賞」の候補になったりして驚きました。 、私は読んでないけど、新聞に句集評が載ったりしたそうです。 それで、なんだかお恥ずかしい気もいたしますが、送っていただいた句評…

今月の俳画

中々梅雨が明けませんね。 庭に桔梗が咲きました。すっきりした姿が涼し気です。 一輪切って描いてみました。 俳句は 夏草にまぎれ別れの曲らしき おるか 夏野にどこからか風に飛ばされて聞こえてくるピアノの音。別れの曲らしい。 ボヘミアの草原を思い出し…

魯山人展

ふと気が付いたら、福井市美術館の魯山人展が今週いっぱいで終わりになるところでした。 お天気もそれほど悪くないようなので、午前中にサラッと見てきました。 笠間日動美術館の所蔵品がメインのよう。茶室もありました。 魯山人と云えば、須田菁華さんのと…

酸化と還元

七月二日、半夏生 窯出し 窯を開けてみたら、なんだか焼き上がりの色が沈んでる。 どうしよう、明け方四時に1280℃になってそれからたっぷり"ねらし”もしたから焼きが甘いはずはない。 窯が古くなって、還元のかかりが悪いのか、 少し風があったから、ど…

七月の表紙

七月、文月 立夏も過ぎて2日は半夏生。 片白草とも呼ばれる半夏の半分白い葉は涼し気です。毒草なんですってね。まぁ食べてみようという気にはなりそうもない葉っぱだから、心配することもないでしょうけど。 魚屋さんに入ったら「二日は半夏生。半夏生には…