連句の間、しばらく開かずの間になっておりましたが、連句は今年の一月から再開しております。
毎月一度の連句会を、楽しく続けて、すでに六か月がたちました。
名残の表に突入しております。
今日のお部屋の床の間には、スカシユリの仲間でしょうか小さく可憐な深紅のユリ科の花と半夏生が活けてありました。
ひとまず、ご挨拶。
奥の間の薄闇の香に半夏生 おるか
取り急ぎ、これまでの歌仙の次第を、かいておきます。山中温泉というところで歌仙を巻くのも二度目なので、今回は若々しく恋多き歌仙にしたいものと思っております。
一月なのでお正月の句から始まりました。現代仮名遣いでしております。
初表
初茜在所の山の寝相良し 橋本
牡丹雪舞う轍のふかく 平井
鰐口の音透明に水平に 佐藤
スマホ繰りいるマニキュアの指 笹次
薄氷にのる月光を拾い上げ 橋本
たらの芽求め道なき道を 平井
初表感想
発句は立て句の丈高さが求められるといいますが、それにしても古色蒼然とした句でしたね。
どこが若々しくだとつっこみたいです。われながら。
それでも折からの大雪の景色を読み込んでさらりと受けた脇句。
そして鰐口というお神社仏閣のあの鳴らす物の音を「水平」そして「透明」と捉えた感性が新鮮!
四句目、スマホで「初詣ナウ」とか送信しているのでしょうか。
初折五句目は、月の定座です。前の句の「指」からの流れで、砕けた氷のかけらを拾う感じ。薄氷に映る春の月です。
たらの芽は山菜の王と言われる美味なもの。どんな山奥も美味を求める食欲の前には、「下おのずから径を成す」。
さて、春の句は三句以上続けるものだそうなので初折の裏も春の句ではじまります・
to be continued