やきもの日和

やきものを作ったり俳句を作ったり

里山歳時記

筆をもらいに

小筆を分けてもらってきました。美術館のカフェで、ついでにお茶もして。 赤絵唐子遊びのそば猪口に花芽の豆皿。春を待つ取り合わせですね。自分の作ったものではありますが、大分、以前のことなので、なんとなく新鮮。 書道用の筆がなくなったので分けても…

小箱をさがしに

箸置きを入れる箱を探して。近所の紙器製作所をお訪ねしました。 手作り感のあるイロイロコハコさんの小箱、かわいい。 お気づきの通り、金属でとめてあります。手前のスチール・グレイの小箱は銀色の、上のは銅色。 特に、角止めという横向きに止めるやり方…

残暑の候

外回りの後、九谷焼美術館の茶房「古九谷」へ寄ってきました。ほんの数メートル歩いただけで生命の危険を感じる暑さです。水分補給は欠かせません! 染付雲鶴茶銚、と 色絵捻子ぐい飲みは、ずいぶん、昔につくったものです。使い込んでいただいていてうれし…

九谷焼美術館でアフタヌーンコンサート

夏の日の午後、美術館の小ほーるでチェロのコンサートがありました。 チェリストの大澤明氏は、オーケストラアンサンブル金沢で長いあいだチェロを弾いていらっしゃった方です。 今日のプログラムはまずリゲティの無伴奏チェロソナタ。これは結構重かった。 …

山中温泉無限庵でランチ

梅雨の晴れ間、山々の緑がまぶしい。連句の会で山中温泉まで出かけたついでに、お昼を県指定文化財の無限庵に、誘っていただきました。 やや厳めしい門を抜けると、大正元年に建てられたお邸を、百年前にここに移築したというレトロな建物の、控えめに贅を尽…

本窯を出しました。

染付と、上絵を待つ白い器たち。うーん、ちょっと焼きすぎたか。白はきれいだけど、形が若干溶けた感じ。何回やっても、これでいい!と思ったことがないって、なんなんでしょうね。 曽宇窯の本窯はガスで、昔ながらの周りに炎が吹き出してる単純な構造の窯で…

蒸し暑い日は

灰色の雲で蓋をされた蒸し器の中にいるみたいな昨日今日の暑さ。 九谷焼美術館に搬入に行ったついでにカフェの夏メニュー、加賀の紅茶のスパークリングをいただいて、一時の涼を愉しみました。紅茶の中のベリー類の甘酸っぱさも、凍ったスイカのサッパリした…

紫陽花だらけ

家の周りの紫陽花が、まるで木のように大きくなってしまったので、今年はかなり強い剪定をしています。 そんなわけで家の中はアジサイだらけ。ガラス器の中の紫陽花は、なんだか美味しそう。 お茶のテーブルにも。 玄関にも。 ともかく紫陽花だらけ。 紫陽花…

紫陽花の季節

雨にぬれて紫陽花の咲く風情は、いかにも日本的ですが、その通り、紫陽花の原産地は日本なんですものね。 シーボルトが西洋に紹介して、長崎での恋人 お瀧さんの名前を学名に残したのもよくしられています。 漢字の紫陽花は、もともとは別の花だったともいわ…

衣替え

家の中も衣替え。 梅雨入り前の、鬱陶しい時節ですが、カーペットを夏用のコットンに、座布団を洗いざらしの麻のカバーに変えたり、などしていると、気分も何となく明るくなります。 お手打ちの夫婦なりしを衣替へ 蕪村 衣替えという、日常の習慣と「お手打…

匠の技

軒下に逆さまになってる、この徳利。 蜂の巣です。上手に作ってありますね。手びねりで、自分の入れる大きさの徳利を作るなんて、想像してみても、ちょっと無理そう。 さすが、天然の職人技(人ではないけど)。色合いもなかなか渋い。 中は暗いのかな。そん…

九谷焼美術館へいきました

九谷焼美術館のカフェ「茶房古九谷」はきょうは薔薇がいっぱいでした。 五月はバラの季節ですね。 こちらのカフェでは、美味しい中国茶がいただけます。サービスにもう一煎冷たいお茶を淹れてくださいましたが、その器がずいぶん昔作ったものでしたので、な…

鵺が鳴き、天狗礫が響く

我が家の裏山で 今は夜。五月五日になったところです。鵺が鳴いています。 たしかに、信号音のような不思議な声です。そういう機械的な音など聞いたことのない平安時代の人々が、何かわからなくて不安に感じただろうことは想像できます。 闇の中を移動しなが…

白い花の季節

家の中にも白い花 辛夷やオガタマなど樹上の白い花は去ってしまいましたが、草の白い花の季節はつづきます。 白花延齢草 2年ほど前のこの季節,俳誌「とちの木」に掲載した白い花のエッセーを転載させていただきました。コロナが猛威を振るっていたころです…

ド根性大根

冷蔵庫の奥に忘れられていた大根。その肌に浮かび上がる「再」の文字! それは「再生」の願いなのか、再び上半分と同様食べてほしいのか。 もう、根性というより執念って感じですね。 気合いに感じ入りましたので、下の方の先っぽは土にうめてやりました。 …

我が家の桜

我が家の桜はいまだ蕾です。例年ですと、お隣の辛夷と一緒に咲くのですが、今年の春は、何かが違う感じです。 桜の向うの白いものは、オガタマの花です。こちらも満開。あまり高いところにありすぎて、写真の撮れない残念な花です。 こんなにいいお天気なの…

小さきもの達、その2

本棚の上の、賑わい。 海賊シャツの猫カードホルダー。その前の le chat qui pe*che,釣りをする猫さんは本当は線香立てです。休日は釣してるのね。 メキシコ民芸の鳩と有磯海でひろった石(白線が面白かったので)、そして、小鳥の水滴。 手すさびに作る小さ…

山並み遠に春は来て

山盧後山の辛夷 先週末、山梨県笛吹市境川の山盧文化振興会へ、行ってきました。山盧は飯田蛇笏、龍太、秀實三代のお住まいのお邸、俳句の聖地です。 旧家でたいそう立派なお邸とうかがっていましたが、思ったよりこじんまりした印象でした。きっと明治のこ…

磁器のきらめき

午後の光が、仕事机の上の小壺をかがやかせています。高さ5センチほどの小さな塩壺。お塩はすぐしけってしまうので、こういう小さな壺に分けて食卓に出しています。 小さな壺の又小さな凸凹に空の青が映り込んでいる。その遥かな青に驚きます。 磁器の色合い…

小さきものたち

三月の「うつわ歳時記・曾宇窯」の表紙写真です。 箸置きの兎さんの顔が隠れてしまってますので、てなおししてから載せようかな。 猫お雛様たちも箱に戻る前にしばらくぶらぶらしております。 卵は小さいサイズなので、大きさのご参考まで。小さきものは皆美…

猫障子

…障子に猫の影が…ギャーッ!というお話ではなく仕事机の前の障子のことです。 白い紙を前にすると、いたずら書きをする癖があるので、目の前の障子に、つい描いてしまいます。 でもあまりやると、部屋がだんだん暗くなるので、一つ置きに描いてます。われな…

気持ちの晴れない日は

ごふ なんとなく気持ちの晴れない日には、花を買います。 普段は、家の周りの植物を活けているので、山野草ですから地味なんですが、ここぞとばかり華やかな色をえらびます。 これは、誰でもしますよね。石川啄木にも、こんな一首があります。 友がみなわれ…

自家用ランチ

何が自家用かと、いいますと、器です。つまり売り物にならなかったものが自家用になっているわけで、「ああ、こんなところに窯切れが、」とか「色落ちしてしまった」とか、そういうもの達です。そういう器で食べる雨の日のランチは、ひとしお寒さが身に沁み…

残雪ランチ

ヴァレンタインデーとはいうものの、朝方は雪でした。寒いので、チョコも買わず、一人のカレーランチです。カレーは便利です。大雪で、買い物もできなかった時期は、有り合わせのものをカレーにして生き延びました。大根と白菜のカレーとか、。 手前の大皿は…

絵付けを待つ白磁

まだまだ寒いけれど家の奥まで届く光に木のテーブルが温まっています。二月の光は、なんというか、直截?ストレートフォワード?まっすぐな、というと光なんだから当たり前だし。まぁ、率直、な印象です。 そんな二月の光の中、白磁の白が、ことのほか際立っ…

読み初めというのも、なんですが、

話題としては遅きに失してますが。、今も読んでるので。 まず古井由吉の「神秘の人々」。以前図書館で読んで印象に残っていたので買いました。読み始めたのはクリスマスのころですが、年末年始は忙しかったので、雪に閉じ込められている間にまたページを開き…

新年の展示会

加賀市動橋の丸八製茶場ギャラリーで展示会をしております。瀟洒なギャラリーに冬の日差しが明るい。猫の俳画なども展示していただいておりました。我ながら、俳画もたくさん描いたものです。 手前の四方小皿はお正月遊びの唐子たち。 「遊びをせむとや生ま…

クリスマスローズが咲きました。

異様に暖かく、春一番みたいな風の吹く、不気味な日でした。13日の金曜日。 クリスマスローズが咲き始めました。大きな紅葉の下の日当たりの悪い、石ころだらけのどう考えても条件の良いとは言えない場所で花を掲げてくれる。植物って、すごい。 他にも、ス…

うさぎうさぎ

うさぎです 今年の干支箸置きは色絵です。手前の弓なりになってる兎さんたちは、京都は宇治の料亭八百忠さんに行ってしまうので残りは十五匹、おっと十五羽ですね。 今、個展中の、加賀市動橋町「加賀棒茶製茶場ギャラリーに五羽、九谷焼美術館に五羽、残り…

クリスマスローズの莟発見!

雪を溶かして、クリスマスローズの蕾 雑木の間に顔を向けて。 人の通り道には、背を向ける格好になるのだけれど、 無理もない。 人の賞賛より、太陽の方が温かいに決まってる。 今朝は、蕾の上にまた、雪が降っている。 ものの芽に降る沈黙の濡れて来し おる…