やきもの日和

やきものを作ったり俳句を作ったり

連句の間

歌仙「御代の春」の巻満尾

いよいよ名残の裏に入りました。 先月は 鉛筆立てて倒れる方へ 佐藤 と、寄る辺ないというか、どうせ、先のことは考えても分からないと思い切ったのか。 なるようにしかならないこの世の事情の一句で終わりました。さて、名残の裏一句目は冬の長句。 乗り越…

六月の歌仙

梅雨の晴れ間の山中温泉芭蕉の館 歌仙御代の春の巻 名残の表後半です。 先月は 七句 踊り子の時に寂しき顔をして 西 の句で終わっています。盆踊りの踊り子で、秋の句です。さて、付けは 俄に増えるうすばかげろう 梶 盆踊りは亡き人も交じって踊るもの。そ…

五月の歌仙

麗しの五月、山々の緑がこれでもかとばかり綺麗。 さあて歌仙「御代の春」の巻もなごりにはいりました。それにしても虎屋の最中思い出しちゃうな。 先月の初折は花の定座のあと、春の句で終わっておりましたので、無季の長句をおねがいしました。 十二句目は…

四月の連句会

お花見で忙しい時節柄、お集まり下さった連衆はわたしも含めて五人とやや寂しいながらも、楽しく歌仙を巻きました。 先月は初折の裏六句目 ひととき回る勝独楽の恋 弘美 という秀逸な恋の句で終わりましたので、こんかいも恋の句をつづけます。 七句 指きり…

三月の連句会

歌仙「「御代の春」の巻も初折の裏にはいりました。 表の最後は 時代まつりの笛の音かすか 梶 さて初折裏の一句目は 読みふける「水底の歌」秋時雨 平井 「「水底の歌」は梅原武の1970年代に発表した著作。「柿本人麻呂論」と副題があるように石見の国へ…

歌仙「御代の春」の巻

山中温泉は文字通り山の中。例年は雪も多いところですが、それでも春が近く感じられる暖かな火曜日、あらたな歌仙が始まりました。平成という時代ももうすぐ終わりというところで発句は 平成が畳まれてゆく御代の春 正藤 『御代の春」がやや大時代な感じもい…

12月の連句 歌仙満尾

12月の歌仙、すでに去年のことになってしまいました。いつも写真を添えていますのに、カメラが上手く作動しなくて焦っている間に日が経ってしまって。新年になっちゃいました。とりあえずおめでとうございます。 さて十一月は名残の表十一句目 燈台に触れ…

十一月の連句

十一月の連句 今年の紅葉はきれいですね。山中温泉の綾取り橋から眺める山々も渓谷も紅葉紅葉です。 さて先月は、名残の表に入りました。無季の句 病室に遺書はないかと探したが 西 ははのへそくりこんなにあった 梶 この世のすべてを盛り込む歌仙には、生老…

十月の連句会

yようやく秋めいてまいりました。うららかな青空の広がる山中温泉芭蕉の館、十月の連句会です。 蛍火の巻もはや名残にはいりました。 先月は花の定座 橋三つ巡りて花の人となる 梶 という名吟を得まして、 茶摘みの唄を明日につなげる 西 という名残へ思いを…

九月の連句

歌仙蛍火の巻も初折の裏、後半に入りました。 先月は恋の句 名前を読んで空振りの恋 梶弘美 まででした。さて、この恋はどう展開するのでしょうか。この句会、恋の句は毎回すっごく盛り上がっちゃうんですよね。 さまざまな恋句の中で、ちょっと変わったテイ…

八月の連句会

歌仙蛍火の巻も早くも初折の裏に入りました。 七月の連句会では 影の出で入る盆踊りの輪 正藤 という奥行きのある句から、秋の句をもう一句続けたいと思いました。 初折裏 折立一句目 廃村の仏訪ねて花野ゆく 平井 秋の草花がそれぞれに咲き乱れる花野は、華…

七月の歌仙

今月から新たな歌仙がはじまりました。 蛍火の巻です。 あんまり暑くてちょっと歩くだけで生命の危険を感じるような猛暑の中、連衆の皆様がお集まりくださいました。これぞ、風狂の友! 発句 蛍火の一つ点りて二つ消ゆ 正藤 怖ろしいほど美しい蛍の句。 脇 …

六月の連句

歌仙もいよいよ名残の裏へはいります。 さて、先月は冬の句 十一句 咳けばショウウィンドウに己が影 梶 十二句 毛皮羽織れば街の華やぐ 西 という展開でした。 名残裏一句 犬に服着せて散歩の老夫婦 中江 をいただきました。前句では人間が毛皮を羽織ったの…

五月連句

緑の美しい季節。芭蕉の館の庭の苔も生き生きしています。山野草展がおこなわれていました。とても珍しい品種もありました。 さて、五月の連句は、名残の表の七句目からです。祇園ばやしから淀川のくらわんか舟の賑わいへと続き西国情緒を楽しんで六句目は「…

四月の連句会

写真は、山中温泉からトンネルを抜けた先、「竹田の里」の枝垂れ桜祭」の夕景です。 連句会の後でひとっ走りしてきました。夜はライトアップされるんですね。それ見たかったな。 枝垂れ桜はそれほど大樹ではありませんが、これほど枝垂れのみが集められてい…

四月の連句会

写真は、山中温泉からトンネルを抜けた先、「竹田の里」の枝垂れ桜祭」の夕景です。 連句会の後でひとっ走りしてきました。夜はライトアップされるんですね。それ見たかったな。 枝垂れ桜はそれほど大樹ではありませんが、これほど枝垂れのみが集められてい…

歌仙雪吊の巻、初折

三月の連句会、私も含めて七人のメンバーで巻きました。一句について数分の間に何句も投句なさるので、今回の投句数は九十句を超えています。しかも名吟ぞろい!あまりすごいので写真を撮りました。 先月は 初折の裏に入って六句目 瀬音に沿いて梅探りおり …

二月の連句 初折の裏

先月は五句目の月に 山寺の薬壺に届く月の道 佐藤 由緒ありそうな山寺の夜の景から 折端 垣の端より瓢の垂るる 西 文字通り飄々とした仙人か、禅者の隠れ住む、住まいの佇まいへと転じ ました。 さて、初折の裏です。 月の句からの秋をもう少し続けます。 一…

雪吊の巻

このところ連日降雪で、雪掻きに追われ、ついつい歌仙のアップが遅れてしまいました。。 一月から新しい歌仙がはじまりました。 実は発句は去年師走にすでに岸本葉子様から、いただいておりました。 雪吊を仕上げて松の青さかな 岸本 北陸の風土への挨拶のご…

2017年11月

あらら、うっかり最後の六句をアップするのをわすれていました。 どうも失礼いたしました。 山中温泉芭蕉の館での連句会。連衆の皆様もすっかりなれていらっしゃって、名残の裏を、あっさり 巻き終わりました 名残の裏 飛び石に同じ貌なし雨の庭 梶 雨の庭の…

青梅雨の巻 名残の表

十月の連句会、当日は北陸には珍しいさわやかな晴天で、連中の中には,好天を満喫すべくゴルフにお出かけの方などもいらして,人少なでした。こういうのも、親密な感じで、また一興です。 床の間に「奥の細道」の山中温泉での芭蕉の句の掛物と、この季節に柔…

九月の連句会

急に涼しくなって、芭蕉の館の玄関前のシュウメイギクも、満開を過ぎてしまいました。 さて先月は名残の裏の一句目まででした。 名残の裏 四畳半まあるく掃いて春ゆかす 佐藤 さて、春も三句ほど続きましたので無季で付けていただこうと思います。 二句目 ま…

八月の連句会

残暑きびしい中、今月も初折の裏の続きを巻きました。 先月は七句目 丘の上二つの影が長く伸び 中江 という教会のある丘の上の二人といった、恋の気配の句でおわりました。 今月は、その続きです。 八句目 恋人つなぎする手の湿り 佐藤 実は私、恋人つなぎっ…

初裏に入りました

連日の猛暑ですが、芭蕉の館は、いかにも涼しげなしつらいの夏座敷に、野山の気をかんじるおはながいけてございました。紅色の紐のような蓼の花、半夏生、白桔梗等等。 凝った華道家の花みたいじゃないところが涼し気です。 さて、先月は一気に初折りの裏ま…

青梅雨の巻

今月から新しい歌仙がはじまりました。 木々の緑も目に鮮やかな、山中温泉芭蕉の館に、エッセイストの岸本葉子さんをおむかえして、ワクワクの始まりです。 まずは、素敵なお客様から発句を頂戴しました。 青梅雨や九谷の皿に山の景 岸本 この同じ場所で前日…

時雨の巻 満尾

麗しの五月、ついに今回の歌仙も、まんびとなりました。 輝くばかりの緑の中、芭蕉の館の句座に十人の連中が集ってくださいました。 しゃしんは近くのあやとり場所から眺めた、赤いパラソルの川床です。渓谷も、山々も翠緑。 名残の裏、最初の句は無季の長句…

四月の連句会

パソコンの調子が悪く、すっかり遅くなりましたが、名残の表の続きです。 先月は七句目。秋の長句でした。 昏れなずむ潟の面を吹く秋の風 正藤 八句目 秋の短句は 宿の二回に蜩を聞き 西 をいただきました。秋風に誘われて、旅に出た風情ですね。次はちょっ…

三月の連句会 ゲストをお迎えして

歌仙もいよいよ名残の折に入りました。 今回は素敵なゲストをおむかえしております。 エッセイストの岸本葉子さんです。 前日に「山中温泉フォト575」の選者をつとめられ、ご講演をなさって、この日は、お忙しい中連句の会に御来臨あそばしたんです。 チ…

二月の連句。初折の裏から名残へ

春寒料峭の山中温泉芭蕉の館。句会のお部屋には由緒あるお雛様が飾られてありました。 二月は春の短句からです。 紙の雛(ひひな)のままごと遊び 梶 かわいらしい光景ですね。お雛様といっても紙でできている。はかなげな軽さに哀感あり。 さて、いよいよ花…

今月の連句

雪の降り積もる中、連句の会に七人の連中が集いました。 去年から引き続いて初折の裏五句目からです。これまでの流れからもちょうどよいので。新年の長句をお願いしました。 三幅に朝日の届く御慶かな 笹次 新年にふさわしい、そして折からおめでたいしつら…