やきもの日和

やきものを作ったり俳句を作ったり

俳画

九月の俳画

すでに九月も半ばになってしまいましたが、今月の俳画。 やや不気味な猫さんと水引草。句は 露けしや木椅子に罅をなつかしみ 板に節があったり、木の家具に傷をつけちゃったり,罅が入ったり、そんなことも、皆、懐かしいものですよね。 青磁に貫入が入るの…

三月の俳画、猫が描きたかっただけ。

逆光に透く猫さまの毛並みが描きたかっただけ。句は 周易の書に日矢とどく鳥曇 おるか 日矢が長毛猫さまの後頭部を輝かしているの図。 周易は、まぁ易経なんですけど、、天地自然の理を読み解く方法なのでしょうから、 猫さまはきっとよくご存じかな、とおも…

俳画日だまりの

昨日までとは変わって、寒い日になりました。 ソファの上でぐっすりお休みの猫さん。句は、滲んでしまって読みにくいけど。 日だまりのにほひの寝息花ミモザ おるか 2023年のミモザの日は3月8日だそうで、一ヶ月早めになりましたが、花屋さんではそろ…

今月の猫さんは

頭が大きい 上から見たところを描こうと思ったけど、これでは頭のでかい猫さんなだけ。 まだ濡れているうえに書いたので文字もにじんで読みにくい。やれやれ。 句は 小春日のもとも深きに猫すわる おるか 句も、拙速というかお恥ずかしい。 なぜ、かくも大急…

十月の俳画

ご無沙汰しておりました。はや十月、急に寒くてかじかんでおります。 今月は、木漏れ日の中にポテッと横になってる猫さんです。 家の周りは樹木が多いので壁も床も木漏れ日にゆれています。 句は 鳥影の縦横無尽神無月 おるか 葉のやや少なくなった枝影を横…

九月の俳画

九月になって、蝉の声より虫の声が良く聞こえるようになりました。 青猫の見つめる先にいるのは、蝉かトンボか。 以前かっていた猫は、トンボはとって食べていましたが、蝉はきらいみたいでした。 天地(あめつち)の色をあつめて毒きのこ おるか 茸の色って…

七月の俳画

道の辺に昼顔が咲いていました。炎天下に咲き続けるタフさに感心します。朝顔とよく似ているのに、なぜ昼顔は日中も大丈夫なんでしょう。研究したら熱中症の特効薬でもできるんじゃないかしら。 句は 句拾ふをわすれてひろふ夏落葉 おるか 句を拾いに出て夏…

六月の俳画 猫のほほえみ

このところやや肌寒い日が続いています。梅雨寒という感じかな。句は 梅雨寒の猫の梯を下りる音 おるか 猫さまは高いところがお好きですが、降りるのは苦手で、そのせいか、多少の音が漏れます。階段を上るときは気づきませんけどね。とはいうものの、小さな…

五月の俳画

五月の俳画 粽のひもが気になる猫さん こちらで、すでに載せた句ですが 命惜しめと粽結ふ紐ながく おるか 粽のひもはイグサなんだそうですね。長いです。生い先が短くなってくると長さが気になるのでしょうか。 年越しそばなども長くあれかし、という思いが…

今月の俳画

庭の桜も、明日には満開になりそうです。 毎朝、新しい花の芽に出会えますし、春ってすばらしい。 四月の俳画も猫さんです。 句は 空色の蝶きて空のうごきけり おるか バタフライ効果ってやつですか。 空の光とか雲の流れとか一頭の蝶の動きが引き起こすわけ…

二月の俳画 化け猫

追儺の後、追い払われた鬼はどこへ行くのでしょう。句は、 化け猫を飼はむと豆をまかずをり おるか 邪気を払ってミケ様の幽霊がいなくなってしまうと寂しいですものね。天国に猫がいないなら、そこはきっと退屈でしょう。化け猫さんのいるだろう地獄のほうが…

一月の俳画 蠟梅

蠟梅が咲きました。花の少ないときに嬉しい花です。 部屋に活けると、水仙に似た清冽な香りに気づかされます。 蠟梅を解剖したる指香り おるか 描く前に花弁の数、蕚、雄蕊雌蕊など、ばらして観察しましたので。 半ば透き通った、蝋細工のような花びらの質感…

十二月の俳画 山茶花

山茶花 花の乏しくなるこの時節に、ぽっかり鮮やかな花を見せてくれる山茶花。 椿よりややはかなげで壊れやすそうなところが寒さの厳しさを増す初冬の風景にひとしお もの哀れに思えます。 句は その肩に薄れてかへり花の影 おるか かへり花、帰り花、 本来…

赤とんぼ

赤とんぼ、ある日突然空一杯になっていたものですが、このところ、ずいぶん少なくなりました。 この山里に、移動してくる時期はそんなに変わらないのですけれど。毎年十月十日前後です。 ベランダの手すりにびっしり止まったアキアカネを猫が、まず右から左…

九月の俳画 無花果

お隣から、無花果をいただきました。とてもきれいです。さっそく描きました。 無花果と言えば、黒田杏子の句 無花果を割るむらさきの母を割る 杏子 を思い出します。怖い句です。黒田杏子の俳句は、しばしば平明とか言われますが、私は、怖ろしいとおもって…

八月の俳画 

絵は秋明菊です 乱雑な絵ですが、温帯低気圧の風に吹かれた庭と、思っておゆるしください。 句は、 ひぐらしや小橋に雲の影を掃き おるか 先日の台風の成れの果てのせいで、木の枝が随分落ちて、翌日の朝、お掃除したんです。橋の下は、いつもの優しいせせら…

俳画 梔子

雨の中梔子の匂いが漂ってきます。人懐かしい香りです。 梔子や暗がり坂に人のなく おるか 暗がり坂は金沢の坂の一つです、細い石段がうねうねと茶屋街の軒を縫ってゆきます。確かに暗い坂です。折からの雨に人もなく、ふと梔子の香りがしたような。 金沢に…

四月の俳画 新じゃが

新じゃが 新じゃがって芽を出す力が強いんですってね。使い残した小さなジャガイモ、見事に芽を出していました。台所の片隅で、密かにたぎらせるものがあったご様子です。 句は おほ寺の庫裡に音なくくれかぬる おるか 絵を描いてから考えるものですから、い…

俳画を届けに、

加賀市動橋の加賀棒茶製茶場のカフェ実生まで、俳画を届けに出かけました。きれいな室礼のまえでお茶。美味しい上生菓子にお正月の大福茶、このあと「お時間が御座いましたら」ともう一煎いただいて、お値段の話もなんですが、これで五百円って破格のお安さ…

俳画 枯れ菊

写真見にくくてすみません。 青磁の鶴頸花活けに枯れ菊。 菊は少し萎れてきたくらいが好き。野菊の淡い紫も、枯れるにつれてやや色を深くして、金茶色に枯れきった花びらと二色になるのも、きれい。句は 鳥渡る命毛ばかり残る筆 おるか 第一句集」「夏の庭」…

十月の俳画 杜鵑草

杜鵑草はさまざまな品種がありますが、なかでも山路のホトトギスは可憐な印象で好ましいものです。 我が家の庭の山路のホトトギスは栄養状態が悪いせいか、ひとしお細く、ランタンのような蕾も小さくてかわいく、咲くのを楽しみにしていたんです。それなのに…

八月の俳画

金魚とは 俳画では、絵と俳句が、かぶるのは面白くないものです。 金魚の絵に、金魚の句では愚の骨頂、野暮の極み、とわかってはいるんですけど。 やっちゃいました。句は 死ぬるまで人に見られて金魚とは おるか(句集青花帖) 金魚という怪物。 金魚が好き…

七月の俳画 巨大雨蛙

七月の俳画 いやはや、はじめに雨蛙を描いちゃって、その後で蓮の葉を足したのですけど、どう見ても雨蛙が巨大すぎですよね。 雨蛙の明るい緑に金色アイシャドウの瞳は、好きなんですけど、こんな蓮の蕾の大きさのがいたら、さすがにコワイでしょうね。 ハハ…

今月の俳画

牡丹に蝶の絵 古九谷の大皿には、さまざまな牡丹が描かれています。いかにも古九谷らしい豪華な色絵が多い。 今月の表紙のところでも書きましたが、牡丹に蝶の文様は吉祥の含みがあるのですね。 そういうわけで牡丹を描こうと思うと、仕事柄つい、あの皿この…

椿とつきあう

つらつら椿 藪椿が満開になりました。 木偏に春と書く椿。藪椿は日本の固有種なんですってね。中国では海柘榴と日本海を越えてきた来歴が名前になっています。 藪椿怒る女に触れ開く おるか 椿の如く赤い怒り! 縄文時代から椿は日本人の暮らしにしっかり使…

二月の俳画 蕗の薹 本当は、俳句と絵が同じ題材なのは避けたいところなんですけど、つい、やってしまいました。 句は ふきのたう切れば雌花でありしかな 蕗の薹は雄花雌花があります。まな板の上でふっくらした薹を切ってみれば、女の子だった。ちょっとかわ…

俳画 実南天 庭の南天にヒヨドリが来ている。騒々しく枝葉を揺らしながら、実をつつく。鳴き喚き、葉を散らし、思いっきり傍若無人だ。 南天の実はとっくに赤かったのに、今頃になってやってくるのは、他に食べ物がなくなったのだろうか。 美味しいものがあ…