やきもの日和

やきものを作ったり俳句を作ったり

2020-10-01から1ヶ月間の記事一覧

十一月の食卓

後の月を待ちながら 十三夜の月は雲の中でした。満月の今夜は晴れるそうなので、月を待ちながら一献の予定です。とはいっても、お月見らしいものは何にもない、ありあわせのテーブルですけど。 庭の落葉を拾って器に敷きました。食器を洗うのが楽で便利です…

月並みを愛す

秋になると、ボードレールを読んでしまう。「秋の歌」とか「午後の歌」没落の魅力がたまらない。いかにもいかにも秋らしい。 ついでにこれも毎年モーツァルトのピアノ協奏曲かける。誰でも知ってる名曲ですよね。子供のころから何十年も同じ曲を聴いて、同じ…

山里の秋 枇杷の花、そして熊

枇杷の花の、甘い香り…たとえるなら、梨の砂糖煮? 茶色のフェルトみたいなモコモコを纏っています。暖かそうですね。 枇杷は大薬王樹といわれています。葉に微量の毒性があるそうですが、毒というものも使い方によっては起死回生の妙薬ともなる、ということ…

九谷焼美術館で村上春樹を聞く

九谷焼美術館にて村上春樹を聞く 今日のような日を小春日和というのだろう。肩に置かれた手のように暖かで、空には淡く羊雲がうかんでいる。 外回りのついでに、九谷焼美術館で季節のお茶をいただく。私の器達も一郭に並べていただいていた。 手前の白菜型の…

山繭かな

頭上高く、山繭でしょうか。薄緑色。薄手火蛾の繭でしょうか。 もう空き家状態なのかな。高すぎてよくわからない。まだ中にいるのだったら、かなり心配になる。うっすら緑色のほのかな光の中で、いつまでも、まどろんでいたい気持ちはわからないでもないけど…

十月の俳画 杜鵑草

杜鵑草はさまざまな品種がありますが、なかでも山路のホトトギスは可憐な印象で好ましいものです。 我が家の庭の山路のホトトギスは栄養状態が悪いせいか、ひとしお細く、ランタンのような蕾も小さくてかわいく、咲くのを楽しみにしていたんです。それなのに…

寝待月  更け待ち月

返り花 忘れていた懐かしい思い出のように、石斛の返り花。 白く儚く、きれいすぎる。 思い出は美化しがちなものだけれど、きれいすぎて思い出したくないこともある。 寝待月は小雨でした。 夢に会ふ人みな亡くて寝待月 おるか 更け待ち月の今宵も月は見られ…

十月の表紙

秋の味覚 名月に供えた芒が、居待ち月の今日はパラパラ散っています。 お月様に里芋と芒を供えるのはいつのころからのことでしょう。 台湾とか南方のタロイモなどを主食にする地域では、日本の芒ととても良く似たトキワススキを畑に挿して病虫害を避けるため…

立待月

窯出しの後 今夜は立待の月。だんだん遅くなる月の出を待って佇む。そんな夜なんですって。 一昨日窯を焚いて、今朝窯出しをしました。窯から出した、焼き立ての器達を棚に並べ、窯道具を片付けます。 それで終わりではないんです。一個一個、高台を磨いてい…

十六夜

月を待つ 十六夜の月はまだ山の影。月を待ちながら小さな明かりを灯す。 今朝まで窯を焚いていたので、さすがに疲れて夕方うたた寝をしていた。すると、顔見知りの女性が二人、黑づくめの服で仕事場をのぞいて行かれた。そしてもう一人黒いコートの、変に難…

名月や

美しい月でした 中秋の名月。北陸でも良い月でした。山道も月光に蒼白くきらめいて、霜が降ったよう。まさに牀前月光を見るの趣でした。 月の近くに金星も輝いていましたね。きれいだった。 とはいうものの、きょうは朝から窯をたいています。買い物に出かけ…

猫寺にて

ひたすらねむる。 九月の終わりに福井県の御誕生寺におまいりしました。猫寺で有名な御山です。実は私の長い猫歴、最悪、かつ最愛の猫、ミケさんの命日だったので。 境内に、真っ白な大仏様が鎮座なさっていてびっくりしました。猫を抱く御姿です。さすが。 …