もう九月。暑いことは暑いけれど、夕暮れが早くなってきましたね。
木々の葉はまだまだ青いとは言うもののやや硬くなってきたことが風の音で分かります。
秋風の音です。まさに古今集秋の部一番の
秋来ぬと目にはさやかに見えねども風の音にぞおどろかれぬる 藤原敏行
の歌のとおりですね。
俳画を書いて、市内動橋町の加賀棒茶「実生」
へもっていきました。
句は
秋風や明け放たれし六道絵 おるか
昔の句をちょっと手直ししました。絵もいつも描いている破れ蓮の絵ですけど。
六道輪廻の絵は陰惨ではありますけど、この頃のテロや戦争状態の凄惨さに比べるとむしろ一人一人の死に向き合っているだけましのような気さえしてきます。
今現在の悩みだけでなく、死後についてまで悩む人というもの。しかしそれらもすべて秋風に吹かれゆくばかり。