
ようやく涼しくなって、仕事の前にちょっと、読書などする気分になりました。
毎年秋になるとボードレール読むのは、我ながら付き過ぎな感じで、恥ずかしいけど、毎年同じことをしていると、去年は、こうだった、十年前はああだった、とそれなりに思い出が積み重なって郷愁をかんじます。もう、年中行事みたいなものですね。
いままで、あまり目を通してこなかった傍系というか、正式に発表されなかった詩篇などちょっと読んでみました。「滑稽な詩」という言葉遊びみたいなものは、ひょっとしてランボーの有名な「母音」に影響を与えたのじゃないかしら、なんて思いました。
開いたページの「異邦人」という詩は好きですね。
「あなたは何が好きなの、謎めいた人よ」とたずねられた人物は、家族か、祖国、美、、黄金、etcの質問に、「木で鼻をくくった」とはこういうことかというような返事を次々に返して、それもちょっと面白いけど、最後に「それではいったい何が好きなの、別格の異邦人さん」と、聞かれて答えます。
「雲が好きなんだ…通り過ぎる雲が…ほら、ほら、あの素晴らしい雲!」
良い答えですね!私も雲が好き。だから、空から降ってくる枯葉も好きです。
ボードレールの異邦人氏の祖国は地上のものではないんですね。








