やきもの日和

やきものを作ったり俳句を作ったり

白木蓮

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白い花の季節

ハクモクレンのなまめかしい白。

この花は、自分の滅びることを知っている。

ヒトが地上に立つよりずっと以前から、

今とそんなに変わらない姿で咲いていたというが

明日には花弁の先に赤茶色の錆があらわれるだろう。

それは、あたりまえのこと。

日を浴びて川風に揺れて。

それで いい。

 

オガタマは散り始め、白い椿も咲いて、ハクモクレンも、先を争うように花を掲げています。辛夷がまだ莟。

白い花の季節は樹上にやってきました。

地面では、山芍薬はまだ葉をほどいたところ。二輪草も雑草もまだ。

空の方が春は早く来たみたいです。

オガタマの花が咲きました

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オガタマの花、良い香り

優しい雨が降っている。
オガタマの花も盛りを過ぎたようだ。今年は、あまりに多く花をつけて遠くからでも梢が白く輝いて見えるほどだったから、これを最後に枯死しなければよいがと不安になってしまう。心の弱いことだ。

オガタマは招霊木とも書いて古くから神社に植えられてきた。木蓮の仲間で、辛夷のような清香を降らせてくれる。去ってしまった神々の残り香とでも言いたいような秘めやかで高貴な香り。 天宇受賣命、アメノウズメノミコトが天岩戸の前でダンスをした時の採りものと言われている、日本の自生種の一つだ。

 エロチックなダンスのイメージとは、何となく違う気もするが、折口信夫によると、巫女の踊りなどの神の遊びは魂振り、つまり身体から出てしまった魂を招く儀礼である(上世日本の文学)そうだから、招霊木は、まさにそのための木ということなのだろう。

たしかに、わたしも魂になったら、あのまっ白な蕾の中で眠りたい。どんなに気持ちよいだろうと思う。

 招霊木や空の瞳にみつめられ  おるか

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輝く白さ

 

裏山でカモシカ発見

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かもしか かも

陽光に誘われて、カモシカが、家のすぐ裏手の山にあらわれました。

こちらを眺めても逃げません。しばらくじっとしていましたが、やがて草を食べ始めました。新芽が美味しそうですものね。

黒い釦みたいなつぶらな瞳。おとなしいのね。撫でてみたい。

写真では見にくいですが、角が片方ないらしい。生え変わるところなんでしょうか。

猫さん

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くるなウィールス

山の中に住んで人に会わないから、ウィールスにも感染する心配は、ないだろうとたかをくくっていました。

それが、このところの気温の変化のせいか、今日はなんだか風邪気味。

コロナ・ウィールスに緊張感をもって臨戦態勢の医療施設に、普通の風を引きましたなんておめおめと行くわけにもいきません。

 

こういう時は、暖かい部屋で、魔よけの猫さんを描きます。と、言ってもちょっと元気のいい猫ってだけですけど。

garrr,grrr コロナウィールス、くるなウィールス

 

 

犬さん描いてみました。

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ブサイクこそ犬の味

挿絵に犬を、と御注文があったので、ちょっと描いてみました。

ブサイクこそ犬のだいご味ですねー。

パピヨンは、人間が「かわいー!」て言いたいために交配して造り出されたみたいな犬さんですね。彼らには人間にしっぺ返しする権利があると思うの。

だから、トリックスターっぽく描いてみました。注文主に怒られそう。

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悪魔のパピヨン

 

椿とつきあう

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つらつら椿

藪椿が満開になりました。

木偏に春と書く椿。藪椿は日本の固有種なんですってね。中国では海柘榴と日本海を越えてきた来歴が名前になっています。

   藪椿怒る女に触れ開く  おるか

椿の如く赤い怒り!

縄文時代から椿は日本人の暮らしにしっかり使われてきました。万葉集にも椿の歌は多い。椿油は勿論、その灰も染色には欠かせないものでした。

「紫は灰さすものぞ海柘榴市の八十の千街に逢へる児や誰」作者不詳

賑やかな市がたつほどだったんですね。

奈良、東大寺のお水取りでは椿の花の造花がたくさん使われますが、そのお水を送る若狭神宮寺から鵜の瀬の辺りも藪椿の多いところです。

水上勉のエッセーに、故郷若狭では椿は墓場に植える、というか、椿の下に死者を眠らせる習慣があったと書かれていたと記憶します。

椿の生命力に、再生への願いを仮託したのでしょう。

 神様にお供えする木は、今では榊ですが、古くは椿も、栄の木→栄木として用いられていたそうです。そういえば若狭鳥浜貝塚から出土した縄文の櫛は、椿のように赤い朱漆が塗られていたっけ。いい赤だったな。

 

遅くなりましたが、句は

 

 鶯にしかられてまた句を選み  おるか

たんなる日常のひとこまです。仕事場の前の藪椿にメジロが来ます。花は次から次に咲き終えて、川に落ちてゆきます。

 

 

 

三月の食卓

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お内裏様のいないお雛様

桃の花がまだなので、ミモザ

北陸の山里もようやく春が近づいてきました。

猫のお雛様を飾ってみたけれど、お内裏様も、三人、いえ三匹官女の二人もいない。

烏合の衆の猫雛たち。

急遽、貝殻雛と土雛を出しましたが、やはりとってつけた感じですね。

 

 写真手前の赤絵平鉢は散らし寿司の取り皿にちょうどいい具合です。

椿尽くしの皿も春の気分を盛り上げてくれます。お雛様には、小皿や豆皿を色々使えて楽しいですね。

本来,形代に厄を引き受けてもらって流し清めるひな祭り。猫のお雛様だと「ま、気が向いたら、祓ってやるわ!」みたいなかんじですね。

桃の花も邪気を払う神木です。伊弉諾が黄泉の国から追っかけてきた伊弉冉を振り払うのに投げた櫛が桃の木なのも、そのため。

桃太郎が柿太郎でも栗太郎でもないのも、鬼を払うのは、桃だからなんでしょうね。

おや日が射してきた、蕗の薹でも探しに行こう。

 

 わが息に曇るひひなの目の薄く  おるか

 

     2020年3月2日