やきもの日和

やきものを作ったり俳句を作ったり

朴の花

二階の窓から見下ろす朴の花 朴の花が咲くと、窓を開けたまま眠る。緑の中に塊麗の巨花を擡げるモクレン科の植物は、泰山木、辛夷、大山蓮華等、どれも天上的な芳香を降らしてくれる。 辛夷の香りはスーッと頭の中が軽くなる感じ。泰山木はやや濃艶さが加わ…

白牡丹

俳画というか、猫の絵に俳句添え、みたいな。 ともあれ、句は 香のたゆたふも悪食の白牡丹 おるか うーん「悪食の白牡丹香のたゆたふも」の方が良かったかなー。 牡丹は貪婪に肥料を食います。一見、穢れを知らないかのごとき純白の牡丹も、その実、地中深く…

九谷焼美術館へいきました

九谷焼美術館のカフェ「茶房古九谷」はきょうは薔薇がいっぱいでした。 五月はバラの季節ですね。 こちらのカフェでは、美味しい中国茶がいただけます。サービスにもう一煎冷たいお茶を淹れてくださいましたが、その器がずいぶん昔作ったものでしたので、な…

石川県立図書館へ

去年の夏オープンした県立図書館へ行ってきました。金沢市の小立野の緑の中、開放的で、楽しそうです。エントランスから見上げると こんな感じ。 借り出し禁止の、かなり貴重な本も自由に閲覧できるようです。いいなー。 エントランスの扉一つ外側にパブリッ…

上絵を焼きました

地震があったので、窯の中で、崩れてなきゃいいが、と心配しましたが、無事でした。 真夏のようだった昨日とは打って変わって、今日は涼しく、静かな雨が降っています。被害のあったところは大変なのでしょうね。 我が家の周辺は、幸いかわったこともなく、…

鵺が鳴き、天狗礫が響く

我が家の裏山で 今は夜。五月五日になったところです。鵺が鳴いています。 たしかに、信号音のような不思議な声です。そういう機械的な音など聞いたことのない平安時代の人々が、何かわからなくて不安に感じただろうことは想像できます。 闇の中を移動しなが…

白い花の季節

家の中にも白い花 辛夷やオガタマなど樹上の白い花は去ってしまいましたが、草の白い花の季節はつづきます。 白花延齢草 2年ほど前のこの季節,俳誌「とちの木」に掲載した白い花のエッセーを転載させていただきました。コロナが猛威を振るっていたころです…

ド根性大根

冷蔵庫の奥に忘れられていた大根。その肌に浮かび上がる「再」の文字! それは「再生」の願いなのか、再び上半分と同様食べてほしいのか。 もう、根性というより執念って感じですね。 気合いに感じ入りましたので、下の方の先っぽは土にうめてやりました。 …

四月の俳画 残花の森の猫

見にくいですが、画面全体に花が散ってるんです。 残花は満開に遅れて咲くさくら。余花は青葉のころにわずかに開いてしまう花です。どれもいいものですよね。 散る花の木にスリスリする巨大猫さん。 句は 残花なら踏むべし道は迷ふべし おるか 生意気盛りの…

黒田杏子の桜花の句

戴いた色紙の句という、ひどく限られた範囲での感想ですが、言葉の繰り返しの多いのが印象的です。俳句という極限的に短い形で同じ言葉を使うのは、かなり勇気がいると思うのですが、中央の色紙では、 花の闇お四国の闇われの闇 杏子 と三つも闇が使われてい…

四月のホームページが、

ホームページが、なぜか更新できないので、こちらに写真を載せておきます。 桜の模様の器たち。ずいぶんいろいろ描いてきたものです。 ホームページ用の文章は、もう少し努力して、それでもだめでしたら、こちらに載せようと思います。やれやれ、何がいけな…

桜餅

道明寺と長命寺 よく、桜餅の道明寺は関西風で、くるりと巻いた長命寺スタイルのものは関東風というが、このあたりでは、どうか、というと、どちらもある。お店によっては関東風と関西風とが、一つのパックに並んでいることもある。なんとなく嬉しくもあるが…

我が家の桜

我が家の桜はいまだ蕾です。例年ですと、お隣の辛夷と一緒に咲くのですが、今年の春は、何かが違う感じです。 桜の向うの白いものは、オガタマの花です。こちらも満開。あまり高いところにありすぎて、写真の撮れない残念な花です。 こんなにいいお天気なの…

辛夷の花が咲きました

窓の外、小雨の中に開き出す辛夷の花。 どうしても、宇宙樹のように丈高く咲いていた山盧の辛夷が思い出されてしまいます。 辛夷は好きな花なのですけど。これからは毎年、手を振って黒田先生と別れた、あの日の辛夷を思い出してしまうのでしょうね。 山並み…

黒田杏子先生御逝去

俳人黒田杏子氏がお亡くなりになられました。御倒れになられたその前日、笛吹市の講演会場で手を振って別れたときのお顔が目に浮かび、いまだに信じられない思いです。 私は山の中に住んでいて、あまり人にも会わず暮らしていますが、毎月黒田先生にあてて投…

小さきもの達、その2

本棚の上の、賑わい。 海賊シャツの猫カードホルダー。その前の le chat qui pe*che,釣りをする猫さんは本当は線香立てです。休日は釣してるのね。 メキシコ民芸の鳩と有磯海でひろった石(白線が面白かったので)、そして、小鳥の水滴。 手すさびに作る小さ…

山並み遠に春は来て

山盧後山の辛夷 先週末、山梨県笛吹市境川の山盧文化振興会へ、行ってきました。山盧は飯田蛇笏、龍太、秀實三代のお住まいのお邸、俳句の聖地です。 旧家でたいそう立派なお邸とうかがっていましたが、思ったよりこじんまりした印象でした。きっと明治のこ…

磁器のきらめき

午後の光が、仕事机の上の小壺をかがやかせています。高さ5センチほどの小さな塩壺。お塩はすぐしけってしまうので、こういう小さな壺に分けて食卓に出しています。 小さな壺の又小さな凸凹に空の青が映り込んでいる。その遥かな青に驚きます。 磁器の色合い…

三月の俳画、猫が描きたかっただけ。

逆光に透く猫さまの毛並みが描きたかっただけ。句は 周易の書に日矢とどく鳥曇 おるか 日矢が長毛猫さまの後頭部を輝かしているの図。 周易は、まぁ易経なんですけど、、天地自然の理を読み解く方法なのでしょうから、 猫さまはきっとよくご存じかな、とおも…

小さきものたち

三月の「うつわ歳時記・曾宇窯」の表紙写真です。 箸置きの兎さんの顔が隠れてしまってますので、てなおししてから載せようかな。 猫お雛様たちも箱に戻る前にしばらくぶらぶらしております。 卵は小さいサイズなので、大きさのご参考まで。小さきものは皆美…

猫障子

…障子に猫の影が…ギャーッ!というお話ではなく仕事机の前の障子のことです。 白い紙を前にすると、いたずら書きをする癖があるので、目の前の障子に、つい描いてしまいます。 でもあまりやると、部屋がだんだん暗くなるので、一つ置きに描いてます。われな…

個展の後

個展の後、玄関で荷物を開けます。部屋まで運ぶ手間を省いているつもり。 チェックしたり、かたづけたり、結構することがあります。今回は会場が近かったので、ざっくり荷造りしてありますが、遠くへ送るときなど、壊れ物なので、かなり大変です。 さりなが…

気持ちの晴れない日は

ごふ なんとなく気持ちの晴れない日には、花を買います。 普段は、家の周りの植物を活けているので、山野草ですから地味なんですが、ここぞとばかり華やかな色をえらびます。 これは、誰でもしますよね。石川啄木にも、こんな一首があります。 友がみなわれ…

猫の本あれこれ

猫の日だそうですね。 と、いうわけで、猫の本。うう、猫と本、私の大好きなもの達! 猫の本と言えばポールギャリコの「猫語の教科書」「猫語のノート」など古典でしょうね。そしてトルコ生まれのドイツ語作家アキフ・ピリンチの「猫たちの聖夜」「猫たちの…

猫お雛様

早春の季語に「猫の恋」が あります。 この頃はあまり聞きませんが、その昔は萩原朔太郎の「青猫」のように「ア・オー!」と絶叫していたものでした。 春を待つ猫のお雛さま達。光の加減で顔が怖いですが、猫の姿かたちというのは、どんなことをしていても可…

自家用ランチ

何が自家用かと、いいますと、器です。つまり売り物にならなかったものが自家用になっているわけで、「ああ、こんなところに窯切れが、」とか「色落ちしてしまった」とか、そういうもの達です。そういう器で食べる雨の日のランチは、ひとしお寒さが身に沁み…

残雪ランチ

ヴァレンタインデーとはいうものの、朝方は雪でした。寒いので、チョコも買わず、一人のカレーランチです。カレーは便利です。大雪で、買い物もできなかった時期は、有り合わせのものをカレーにして生き延びました。大根と白菜のカレーとか、。 手前の大皿は…

俳画日だまりの

昨日までとは変わって、寒い日になりました。 ソファの上でぐっすりお休みの猫さん。句は、滲んでしまって読みにくいけど。 日だまりのにほひの寝息花ミモザ おるか 2023年のミモザの日は3月8日だそうで、一ヶ月早めになりましたが、花屋さんではそろ…

絵付けを待つ白磁

まだまだ寒いけれど家の奥まで届く光に木のテーブルが温まっています。二月の光は、なんというか、直截?ストレートフォワード?まっすぐな、というと光なんだから当たり前だし。まぁ、率直、な印象です。 そんな二月の光の中、白磁の白が、ことのほか際立っ…

小鳥の帰還

翼が折れてしまったクロヌマタカトシの木彫の小鳥。氏の作品は独特の哀愁があって好きなのです。金継ぎ工房八木さんに修理をお願いしてありましたが、ようやく帰還してくれました。 金の筋が入ると何となく違和感があるということで、ただ継いでもらいました…