やきもの日和

やきものを作ったり俳句を作ったり

うつわ と 俳句

自家用ランチ

何が自家用かと、いいますと、器です。つまり売り物にならなかったものが自家用になっているわけで、「ああ、こんなところに窯切れが、」とか「色落ちしてしまった」とか、そういうもの達です。そういう器で食べる雨の日のランチは、ひとしお寒さが身に沁み…

九月の食卓

この日暮れ、空一杯の薔薇色の羊の群れが谷の空を流れてゆきました。秋めいてきましたね。 落葉するこれから水がうまくなる 山頭火 という句の通り、秋の水は美味しいですね。また山水を汲みに行きましょう。夏の間は虫が多くていけませんでしたから。 写真…

四月のテーブル 桜の器

青い桜 メインデイッシュは白アスパラガスです。フランスから空輸で加賀に届いたところ。 半熟卵をトロ~っとかけるのが美味しいんだけど、他の料理してたら普通のゆで卵になってしまったので、急遽タルタルソースにしました。 器は手付き鉢なんですが、写真…

時雨の午後の紅茶

午後の紅茶 師走というのに、まだ紅葉も散り果てない温暖化の、とある日。 気持ちが落ち着かないので、とりあえずお茶にしました。 どう見ても悪魔的な顔つきの翼のある猫さんたちと。 ときおり雲の切れ間からさす光が恐ろしいほど美しい午後。 時雨追う鞭の…

今月の表紙 師走

神戸ワインを開けるには、 やっぱり牛でしょ、というわけで牛鍋。残念ながら神戸牛は手が出なかったので、ふつうの和牛です。その欲求不満があったせいか、ついキャビア買ってしまいました。愚かな私。 アドリア海の至宝ダ・ヴィンチのキャビアです。馬上盃…

錦窯をだしました

上絵の窯を出しました。赤絵や色絵でにぎやかです。それで錦窯とも呼びます。 天地のうららや赤絵窯をいづ 水原秋櫻子 上絵の窯を出すたびに思い浮かべる一句です。新しく生まれた器を寿いでくれるようでうれしいので。 赤の発色はどうだろう。色絵は流れ落…

十一月の食卓

後の月を待ちながら 十三夜の月は雲の中でした。満月の今夜は晴れるそうなので、月を待ちながら一献の予定です。とはいっても、お月見らしいものは何にもない、ありあわせのテーブルですけど。 庭の落葉を拾って器に敷きました。食器を洗うのが楽で便利です…

一輪草、帰る鳥

一輪草が咲きました 鳥たちの北へ帰るころ。庭に一輪草が咲きました。 うちとけて一輪草の中にゐる 古舘曹人 一輪草と打ち解けていらっしゃるんでしょうかしらね。川沿いに山道を辿った先に一輪草の咲き乱れる谷があります。細い花頸が一斉に風にうなずく中…

壱月の表紙 祥瑞捻子菓子鉢 今月の表紙が見られないとお叱り戴いたので再度写真を載せました。ついでに祥瑞について、少し話しましょうか。 祥瑞と呼ばれる焼き物は中国の明時代の末期1628年ごろから景徳鎮でつくられた磁器です。くっきりした藍色に精緻な文…

はじめまして

ブログひっこしてきました。今までは「焼きもの日和」「という名前でした。 ホームページは「うつわ歳時記」です。 毎月の歌仙は、同じ はてなブログ の「かがなべて」に、 エッセーなどは「とちの木の実」に、こちらも少しづつ纏めるつもりです。 よろしく…