やきもの日和

やきものを作ったり俳句を作ったり

アドベント読書

聖母像の到来(若桑みどり著) 十二月。2023年の暦が最後の一枚になってぺらぺらと寒そう。 それなのに、仕事が進まない!十一月に窯を焚く予定だったのに、細かいものを何かと仕上げているうちにあっという間に日が経ってしまった。焦る。 でも、お茶の…

柚子に日の

大鉢に大盛りの柚子、良い香り。 お隣から柚子戴きました。我が家の庭の柚子は老木すぎるらしく、このところ実をつけてくれないので、嬉しかった! 黄金の実が濃緑の葉陰にひしめき合うほど実っています。 柑橘類は暖かな土地が好きですが、柚子は、北陸でも…

クマダナ

樹上に木守り柿を一つ残していったのは、何者でしょう。…熊ダナ。急に寒くなってきました。 今日は良いお天気。 あたたかき十一月もすみにけり 草田男 枝をボキボキに折って食べていったあとが熊棚になっています。太い枝も刃物で切ったようにスパッと折って…

冬支度その2

盆栽と言えるようなものではなくて、ただ、脇芽やこぼれ種から生えたものを拾っているうちに小さな器の植栽もふえました。 雪に閉じ込められる冬場は、家の中に緑が欲しいですものね。 真ん中の紫式部は先日買ったものですが器は自家製です。手前の普通のお…

冬支度

急に寒くなったので、慌てて、ベランダの鉢植えを室内に取り込みました。オリズルランは蘭とは名ばかりのキジカクシ科の植物で寒さに弱くはないですけど、霜にあたると葉っぱがへなへなになって鑑賞に堪えなくなってしまいますし、他の蘭の仲間たちは、即死…

十一月の俳画

風があるとも見えないのに、色づいた葉がいっせいにはらはらと散り始めることがあります 宮沢賢治のお話「いちょうの実」では銀杏の実の子供たちが、ある日、不意に今日が旅立ちの日だ、と気づいて「さよなら、さよなら」と言い合いながら一斉に散ってゆきま…

三国湊まで

福井県三国まで出かけて、盆栽をかってきました。紫式部です。 何はともあれ、盆栽をを拙作に植え替えました。もともとは、素朴な感じの鉢に入っていました、こんな感じ。 鉢の小ささが盆栽らしいけど、自分で作った鉢の方が好きなのは、まぁ 致し方ありませ…

十月の俳画

木の国の秋蝶水を欲るらしき おるか 蝶も喉が渇くのか、夏の間は打ち水をすると、素直に飲みに来るのが、哀れでした。 秋になっても蝶の苦難はつづく…。 句は 逆髪の墓のあたりの猫じゃらし おるか 逆髪(さかがみ)はご存じの通り、盲目の琵琶の名手蝉丸の…

九月の俳画

すでに九月も半ばになってしまいましたが、今月の俳画。 やや不気味な猫さんと水引草。句は 露けしや木椅子に罅をなつかしみ 板に節があったり、木の家具に傷をつけちゃったり,罅が入ったり、そんなことも、皆、懐かしいものですよね。 青磁に貫入が入るの…

菊の香や

九月九日は重陽の節句。菊の日です。 九谷焼美術館のカフェで、菊花茶をいただきました。 菊の花が急須の中で開いてゆくのを待つ、そのひとときも味のうち。 一輪添えられた花は仙人草です。 菊の露を飲んで不老不死を得た菊慈童にあやかって、仙人の気分で…

スーパーブルームーンと生き物たち

九月一日の月、確かに大きかった。夕方から、なぜか川底を蟹が出歩いて、釣られてました。ついでにゴリ(グズ)も。写真は,少し前に撮ったものですが、同じ蟹。モクズガニかな? そして、玄関の引き戸の桟の間にピッタリ収まりかえっている蛙さん 私は戸の…

奇跡の一枚

右側のお皿、泡のようなものがご覧になれますか?縁のあたりも変形しています。 窯に入れて焼くまでは、普通の中皿でした。 生地の中の空気が膨らんで、やきあがったらこんなふうになっていたんです。裏側もかなり膨らんでいます。普通、空気が入っていると…

色絵をだしました。

仕事が進まなくて、まいりましたが、久しぶりで上絵の窯を、どうやらたきました。ハ~暑かった。 それでも今日は曇ってやや涼しい…かな? ふと気がつくと蜩の声が遠くなって、虫の声がします。やはり季節は動いているんですね。 新涼の徳利に青き馬逃げる お…

八月の俳画

台風一過、どことなく気配が改まった感じ。秋めいた、とまでは言い難いけれど、空気がこの間までより澄んでいるような。 籠に入った昼顔と子猫さん。句は 初秋の風やや沁みる葉切傷 おるか 暑い盛りには、葉っぱもぐったりしていますが、秋になるに従って葉…

葉月の句会

歩いている間に干物になっちゃいそうな暑さ、にもめげず句会です! いつもながら御心入れのお菓子。この日は京都「和久傳」の蓮根餅「西湖」でした。 味はもちろん、写真上の竹かごの中に、笹の緑も青々とした蓮根餅。完璧な佇まいです。以前イスラエル人の…

残暑の候

外回りの後、九谷焼美術館の茶房「古九谷」へ寄ってきました。ほんの数メートル歩いただけで生命の危険を感じる暑さです。水分補給は欠かせません! 染付雲鶴茶銚、と 色絵捻子ぐい飲みは、ずいぶん、昔につくったものです。使い込んでいただいていてうれし…

日曜の午後、マグナ・グラエキア

史上最も暑い七月も終わろうという日曜の午後, まだあまり知られていないバジリカータ州の白ワインを試してみました。白と言ってもややオレンジがかったきれいな色、木陰で居眠りする人物のラベルがかわいい。シャープでさわやかだけど、その上どことなく古…

九谷シェイク

涼しい~! 九谷焼美術館に搬入のついでに、カフェに寄りました。駐車場から美術館までのほんの少しの距離を歩いただけで、力尽きそうな暑さだったので、夏の特別メニュー、九谷シェイクをいただきました。 ブルーベリーや、他にも様様のベリー類をつかった…

九谷焼美術館でアフタヌーンコンサート

夏の日の午後、美術館の小ほーるでチェロのコンサートがありました。 チェリストの大澤明氏は、オーケストラアンサンブル金沢で長いあいだチェロを弾いていらっしゃった方です。 今日のプログラムはまずリゲティの無伴奏チェロソナタ。これは結構重かった。 …

山中温泉無限庵でランチ

梅雨の晴れ間、山々の緑がまぶしい。連句の会で山中温泉まで出かけたついでに、お昼を県指定文化財の無限庵に、誘っていただきました。 やや厳めしい門を抜けると、大正元年に建てられたお邸を、百年前にここに移築したというレトロな建物の、控えめに贅を尽…

七月の俳画

猫と木槿 先日の大雨で、家の前の橋に流木が引っかかってしまって大変でした。この頃の雨って、激しさが昔とは違いますね。 さて今月の俳画、なぜか気合い入れて塀の上を歩いている猫さん。句は 着くづれて木槿の花にもどりけり おるか 暑い日にお出かけして…

本窯を出しました。

染付と、上絵を待つ白い器たち。うーん、ちょっと焼きすぎたか。白はきれいだけど、形が若干溶けた感じ。何回やっても、これでいい!と思ったことがないって、なんなんでしょうね。 曽宇窯の本窯はガスで、昔ながらの周りに炎が吹き出してる単純な構造の窯で…

蒸し暑い日は

灰色の雲で蓋をされた蒸し器の中にいるみたいな昨日今日の暑さ。 九谷焼美術館に搬入に行ったついでにカフェの夏メニュー、加賀の紅茶のスパークリングをいただいて、一時の涼を愉しみました。紅茶の中のベリー類の甘酸っぱさも、凍ったスイカのサッパリした…

紫陽花だらけ

家の周りの紫陽花が、まるで木のように大きくなってしまったので、今年はかなり強い剪定をしています。 そんなわけで家の中はアジサイだらけ。ガラス器の中の紫陽花は、なんだか美味しそう。 お茶のテーブルにも。 玄関にも。 ともかく紫陽花だらけ。 紫陽花…

紫陽花の季節

雨にぬれて紫陽花の咲く風情は、いかにも日本的ですが、その通り、紫陽花の原産地は日本なんですものね。 シーボルトが西洋に紹介して、長崎での恋人 お瀧さんの名前を学名に残したのもよくしられています。 漢字の紫陽花は、もともとは別の花だったともいわ…

六月の猫俳画

なんとなく画面のバランスが決まらなくて、描きこんでいるうちに、俳句を書くスペースがなくなってしまった。ともかく句は 葉に葉触るささめきごとに昼寝覚め おるか ささめき、漢字は私語、ひそやかにささやき交わすこと。「ささめきごと」もおなじです。字…

リアル句会、金沢にて

久しぶりに、リアル句会。 金沢の閑静な住宅街の、不思議な色の鉄線の咲いているお家にお招きいただいて句会をしました。実際に対面しての句会は久しぶりで楽しかったです。 集まったのは、私を入れて五人でした。それぞれ、論考を本にまとめられていらした…

衣替え

家の中も衣替え。 梅雨入り前の、鬱陶しい時節ですが、カーペットを夏用のコットンに、座布団を洗いざらしの麻のカバーに変えたり、などしていると、気分も何となく明るくなります。 お手打ちの夫婦なりしを衣替へ 蕪村 衣替えという、日常の習慣と「お手打…

匠の技

軒下に逆さまになってる、この徳利。 蜂の巣です。上手に作ってありますね。手びねりで、自分の入れる大きさの徳利を作るなんて、想像してみても、ちょっと無理そう。 さすが、天然の職人技(人ではないけど)。色合いもなかなか渋い。 中は暗いのかな。そん…

川とんぼ

川トンボが飛ぶようになると、夏が来た、と感じます。 たしかに今日は薄暑というより、はっきり暑い日でした。 庭先で、翅を休める、か細い水の精。メタリックな光沢がオシャレです。 川蜻蛉昼の疲れを影に置き おるか トンボっていつも元気そうに見えますが…