やきもの日和

やきものを作ったり俳句を作ったり

自家用ランチ

何が自家用かと、いいますと、器です。つまり売り物にならなかったものが自家用になっているわけで、「ああ、こんなところに窯切れが、」とか「色落ちしてしまった」とか、そういうもの達です。そういう器で食べる雨の日のランチは、ひとしお寒さが身に沁みる。ちょっと涙の味がする。

とはいえ、新しk作ってみた椿の汲みだし茶碗はかわいいし、長丸形の琳派風のお皿は、こんな気のない盛り付けでも 面白いんじゃないかしら。目で食べてください!と主張してます。www

左側の手付き鉢は、右手に桜、左手に紅葉を橋の上から眺める、という趣向です。これは完成品なので、椿の葉を敷いて盛り付けてます。花の季節には、紅葉の方にタケノコなど盛り付け、秋になったら花の上を茸料理で、覆い隠す、ということもできますでしょうね。

寒くて手先が冷えると仕事にならないのでこまります。早く春になってほしい。

  丈草忌堅香子の花遅しとも  おるか(夏の庭)

今年は、堅香子の花の咲くところもまだ雪の下です。

 

内藤丈草は蕉門十哲の一人。近江のひとですね。

 

寂しさの底ぬけてみるみぞれかな  丈草

木枕の垢や伊吹に残る雪   丈草

 

「木枕」の句は詩人安東次男が「これほどきれいな残雪の句はない」とほめていました。たしかに丈草の句は瀟洒で、私も好きです。伊吹山の残雪、見に行きたいな。