猫町通信
名月の夜はミケ様五回忌。 福井県の猫寺へお詣りしてきました。 境内のあちこちに、猫が落ちています。 近づいてもピクリともせず熟睡中。社務所に入ると戸を開けた足元に、猫寺の犬アンディ君がねそべっていて踏んづけてしまいそう。こちらも目を上げるけど…
けたたましいサイレンの音。そしてバラバラっと路上に放水。 出初式の放水訓練でした。路上に放水ってすごいよね。 ミケ様はサイレンが大っ嫌いで、毎年怒り狂っていましたっけ。 そんなこともなくなって、もう三度目の出初式になります。 気が付くと、ぬい…
ミケ様短歌集、その2 惜しみ無き他しゃ(chat)への愛と奉仕こそ人のなすべきものと知るべし ミケ 良いお言葉でございます。 chat はフランス語の、猫、でございます。掛け言葉というものでしょうか。 ミケさまはフランス語も聞き齧り齧りなさいました。 ま…
永久にミケ様の執事、おるかでございます。 ミケ様が折々に書き散らかしていらした短歌を少しづつアップして行こうと存じます。 十年ほども前の、ミケ様もまだお若かった頃の御歌でございます。 (人間には)理解不能な点、不適切な表現があるかもしれません…
ベランダに残っていた残雪もすっかり消えて、 今日は、本当に春のようなあたたかさです。 お隣のタローちゃんが、久しぶりに登場して、染付け大鉢の雪解水をなめていました。 カメラを構えたら、とたんに普通の飲み方になってしまいましたが、 それまでは、…
ミケ様が長逝されてこのかた、猫文学研究もはかどらず、 ふと気がつくと猫の絵を描いては障子の敗れに貼っている今日この頃。 絵付けの部屋は、猫屋敷めいています。 上段の猫の絵の傍の爪あとはミケ様のおつけになられたものです。 そのときは「なんてこと…
ミケさまの執事、おるかでございます。 悲しいお知らせを申し上げなければなりません。 、 ミケ様が、昨日の明け方、長逝されました。18歳7ヶ月ほどにいらっしゃいました。 猫の神バースト女神に会いに、出かけるため、171年ぶりの閏九月の満月をお選…
我輩はミケ、猫である。 急に秋めいてきた。朝夕は涼しいくらいだが、さすがに日中の太陽はチリチリと我輩の髯をいらつかせるのである。 我輩の執事のオルカは、月見の夜気にあたって、秋風邪をひいたとかで、今日は一日プラプラ過ごしている。まったくつか…
我輩はミケ、猫である。 急に秋めいてきた。我輩は秋の午後の昼ねが好きである。なに!秋でなくとも毎日昼寝してるだろ、だと! する、しないを問題にしているのではない。好きだといっているのだ、ったく…。 我輩は猫のおもちゃのたぐいはきらいである。あ…
我輩はミケ、猫である。 京都市美術館の「バルチュス展」も、そろそろ終りである。 我輩は電車なんてものに金輪際乗りたくはない。それで不肖の執事ではあるが、おるかを我輩の目として行かせたのである。 美術館はけっこう混んでいたそうだ。バルチュスは確…
風雨の音に目覚めた朝、気がつくと、隣でミケ様が丸くなっていらっしゃいました。ミケ様の執事オルカでございます。 台風の風音が、怖くていらしたのでしょう。暑くなってからというもの、夏のエルミタージュ(ダンボール箱ですが)にお休みになってばかりの…
猫文学研究その4 我輩はミケ。猫である。何を隠そう我輩は猫文学研究家である。 先回はバルチュス伯のご幼少のみぎりの作品に触れたが、この夏、猫の王バルチュスの大展覧会が京都市美術館で行われている。これは、是非いかねばなるまい。 この暑さの中で出…
今年も登場、猫のお雛様。 外は大雪なので箱橇に乗った雰囲気で。 今年のお雛様は、やや小柄です。 春よ来い。猫が伸びをする春よ来い。 箱橇の手前の二匹は虎の子箸置きです。 「橇なんか曳いてられっかよ」と、ふてくされております。
我輩はミケ、猫である。 なにをかくそう我輩は猫文学研究家である。 ご存知のように、わが一族は常に画家や詩人たちのミューズであった。なんと多くの詩や絵画が我等猫族にささげられてきたことか! さて、今回取り上げるのは九歳の少年の描いた物語である。…
我輩はミケ。猫である。 ずいぶんひさしぶりである。この夏の暑さには、我輩もかなりうんざりしていたのである。 ここ数日ちょっとは涼しかったものだから、、おるかのやつ「やっと秋めいてきた」などとうかれて椅子の足元に、キリムを出した。我輩はキリム…
我輩はミケ。猫である。 天から大きな手がのびて、吾輩の頭を撫でようとしているのがみえるだろう? 実にかっこいいキルトである。。良く見ると怖ろしいほど偏執的なまでに細かく針がさしてあるが 全体はリキテンシュタインの作品みたいで、鉄色の縞の縁取り…
早いもので一月もそろそろ終わり。 春に向ってお雛様がそわそわし始める時節です。 猫のお雛様達。全員揃ってにぎやかです。 お内裏様三組のカップルに三匹官女二組、五匹囃子二組その他三名ほど。 さあ、春よこい早く来い。
我輩はミケ。猫である。 夏の花はすでに往き、秋の花は、まだ日差しを避けている。しかし家の中にはときじくの花が開くのである。ムフッ。 薔薇色のシーツの真芯にまどろむ我輩。ムフッムフッ! 薔薇よ、 かくも、あまたの瞼のしたで 誰のものでもないねむり…
我輩はミケ。猫である。 暑い。今日も暑い。 、その暑さの中、新しい機器を設置にNTTから、人が来た。光ネクストにコース変更だそうである。 我輩は、我がテリトリーの中に見知らぬ人間が来るのをあまり好まぬ。決して怖がっているわけではない。なぜかシ…
暗い!写真も暗いけど、今日のオルカは暗い。 我輩はミケ。猫である。 夏バテでもしたのだろう。忙しいはずなのに、オルカのやつ、朝からデレデレと画集など見ている。 少し、遊んでやろうかと、我輩のお気に入りのヒモをもっていってやったのに、ヒモの振り…
我輩はミケ。猫である。 残暑というもオロカな暑さの毎日である。しかし早朝はさすがに爽やかになった。 蝉の声の中に、かすかに鈴虫やチチロの声が混じる。 そういえば、蜩の朝の太陽賛歌が、今年は聞こえないのはどうしたわけだろう。ミンミンやツクツクボ…
我輩はミケ。猫である。 猫であるからには、どんな暑い日でも昼寝をせねばならぬ。 かつ、ここで寝ると決めたからにはなにがなんでもそこで寝るのが猫道である。 「一階の方が涼しいよ」とオルカはさも心配そうに言うが、我輩がそれを知らぬわけはない!今日…
我輩はミケ、猫である。 我輩は六月の晴れた日を愛する。人間にはちょっと暑くても我輩にはちょうどいい気候なのである。適度な湿気も我輩の絹の毛並みをいやましにしっとりさせてくれるのである。 網戸に濾されてやわらかくなった風に残りの冬毛を飛ばしな…
ご無沙汰しております。 アカです。おとなりのおじーちゃんが命名してくれました。今では呼ばれたらちゃんと返事します。 川沿いの黄水仙がさきました。日当たりがいいので、僕はいつもここでお昼寝することにしています。 ゆらゆらゆれる水仙の黄と僕の毛の…
薄紫の雲の間から茜さす日光とともに微笑む我輩。 春の夜の夢の浮橋とだえして峯にわかるる横雲の空 定家 の一首のごとき、耽美な光景と思う向きも多かろうのう。 我輩はミケ。猫である。 勿論、雲の間にいるのではない。じつはお布団の間に避寒しているので…
雪が降ったり冷え込んだり寒い日が続いていますが、日脚は随分長くなりました。そろそろ雛祭り。 さむがり猫たちも、晴れ着でせいぞろいです。 それにしても菱餅が巨大。 プラスチックの桃の花なんてほんとは大嫌いのはずなんですけれど、こう寒いと、何の悩…
我輩はミケ。猫である。 今夜はオルカは、窯詰めをしている。カウントダウン窯焚きはさすがに大変だから一日でも早くしたいと,朝から立ちっぱなしで仕事している。 しかし我輩から見ると大晦日にしろ新年にしろ人間のかってにきめた暦日である。つまり恣意…
我輩はミケ、猫である。 今夜はおるかは窯を焚いている。徹夜になるのだろう。 そこで我輩は炬燵の上で、突然の腹モフや肉球いじりに邪魔されることなく静かに読書にふけっているのである。 今福龍太著「レヴィ=ストロース 夜と音楽」を読了した所である。 …
我輩はミケ。猫である。 錦窯が冷めるのを待つ間、福井市美術館の熊谷守一展に行くことにした。 猫好きな画家である。猫のほかにも蟻んこも好きみたいである。 ただ、板の上にかなり丹念に一様に油絵の具を塗って削りだすように線を置く描方のなせる技だろう…
我輩はミケ。猫である。 虫の声もすっかり秋である。月も毎晩太って来ている。 しかし日中はまだまだ暑い。 階段の上が風通しが良く、木の床は冷やりとしていて快適である。 暑い時は涼しい所に移動する。これがエコの極意である。 しかるに、無粋者オルカは…