やきもの日和

やきものを作ったり俳句を作ったり

バルチュス展に行きました。

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 我輩はミケ、猫である。
京都市美術館の「バルチュス展」も、そろそろ終りである。
我輩は電車なんてものに金輪際乗りたくはない。それで不肖の執事ではあるが、おるかを我輩の目として行かせたのである。
 
 美術館はけっこう混んでいたそうだ。バルチュスは確かに巨匠ではあるが、日本での人気にはすごいものがある。おそらく日本人は世界一バルチュスの好きな国民であろう。バルチュス伯も日本文化を深く愛されていたからまさに相思相愛というわけである。

 荘重といって良い色彩の中の、不思議にエロティックな少女たち。そしてその傍にはかならず猫がいる。しかし残念なことに我輩の見たかった作品は来ていなかったらしい。淡いブルー系の色彩の模様にあふれた室内に佇む少女のヌードである。見たかった。
画面の筆遣いの静けさと人物の強いポーズとがあいまって、非現実的な印象を与える。奇妙に心に引っかかる作品群である。
バルチュスは美術学校にも行かず、師にもつかなかった。独立独行の人である。そんなところも猫っぽい。ただひたすらに絵を画いた。画家になる素質とは、結局それ、描かずに入られないということなのだろう。