ウスタビガ、何語か⁈とおもう響きですが、薄手火蛾と書くらしい。知ってみると美しい名前ですね。明るい萌黄色の繭が手燭のようだというのが由来のようです。
秋に生まれて、しばらくの命だそうですが、こんな時期に相手が見つかるでしょうか。心配です。家の外回りの道具置き場なんぞに、御来臨遊ばして…。
羽の先が欠けているのが、流浪の王のよう。苦労の跡を忍ばせます。
蝶や蛾は古来、たましひの乗り物とされています。こんなふかふかの無邪気な顔の乗り物に乗れたら、たのしいことでしょう。(書き遅れましたが、とてもかわいい顔をしています)
有名な荘子の「夢に胡蝶となる」話も蜻蛉やバッタではなく蝶でなければならない、わけがあるのですね。
秋の日の午後の光のような黄色の衣の一頭のウスタビ蛾、地上で出あえてうれしかったよ。
鏡には映らず消えて秋の蛾の おるか