やきもの日和

やきものを作ったり俳句を作ったり

猫の神様

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我輩はミケ。猫である。
錦窯が冷めるのを待つ間、福井市美術館の熊谷守一展に行くことにした。

猫好きな画家である。猫のほかにも蟻んこも好きみたいである。
ただ、板の上にかなり丹念に一様に油絵の具を塗って削りだすように線を置く描方のなせる技だろうが、どうも画伯の猫達は、固いリンゴのようにちょっとゴキゴキしている。
絵葉書になっていたミケねこなどはまだ柔らかい方である。
ともあれ、若いときから老人みたいな絵を描いた人だなと感心した。色彩がキレイだった。我輩は特に茄子の絵と蛇の目蝶の絵にひかれた。単純化された形が工芸的というか。独特であった。

 白洲正子が非常に誉めていた「かみさま」という書もあった。確かに無垢というかうぶ(初心)というか。白洲正子はともかく、うぶもの好きな方である。
 我輩は、そんなちょっと抹香臭い「南無阿弥陀仏」や「無一物」より「蒼蠅」と大書した額がワクワク感があって好きであった。

我輩のお目当ては、しかし、守一翁の猫ばかりではない。福井市美術館には畏れ多くも古代エジプトの猫の神バスト様が鎮座ましましているのである。引き締まった気高いお姿をおろがむ度にに、我輩も身の引き締まる思いがするのである。
ほんとは写真を撮ったらいけないのだろうけれど、壁の影があまりにかわいいので失礼してしまいました。お許しくださりませ。