やきもの日和

やきものを作ったり俳句を作ったり

六月の表紙 アフタヌーンティー

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 初夏と云うには熟し、梅雨にはまだほんの少し間のあるつかの間の眩い季節。
緑って、こんな輝かしい色だったっけと日々に驚く。

 仕事場で一人だけのアフタヌーンティーを作業机にひろげました。イギリス式の三段重ねのスタンドの代りに、手付き鉢など使って。
スコーンとイチゴ、に、生クリームにカテージチーズをぶち込んで力任せにかき混ぜるというなんちゃってクロテッドクリーム添えです。

 

 左側の角皿にはサンドイッチ。画力はともあれ、この皿の染付はいい色合いに焼きあがっているな、と自画自賛しつつ文字通りまみ食いしました。良く見えるようにするためです!

 一番奥の梔子紋様のお皿にはワッフル。祖父はワッフルが大好きで、時々自分で焼いていました。孫の私にもくれませんでしたね。祖父母の写真に一個お供えしたけれど、市販のものではあまり喜んでもらえそうにないかな。
プルーストは「失われた時を求めて」に、時間は思い出の色や香りを閉じ込めた壺のようなものと書いていましたが、その通り、こんな明るい緑の中の午後のお茶には失われた時の懐かしい人たちが集ってくれる気がします。マドレーヌではなく、スコーンとワッフルでもね。

 手前に並んでいる、マグ・カップとボタンの付いたカフェ・オ・レ ボウル色々。隠れてよく見えないのが新色の水色です。カップアンドソーサーは、今回の窯では焼きかたを変えてみましたが、やはり歪んでいました。新しい粘土で作りなおしてみましょう。やれやれ。鷹の、サシバの鳴き声が聞こえます。美しい黄昏になりそうです。

 

  黄昏の鷹に草笛吹いてやろ  おるか