今日は金沢の茶箱作家、T・kさんがいらっしゃって、新作の茶箱の、なんと言ったら良いのでしょう、組み立て?を二通りみせてくださいました。
来年『十二ヶ月の茶箱』(題名未定)という趣向の展覧会をご予定だそうで、今日はそのための新作を、いくつか披露してくださったんです。
まずは、「新緑の箱」。
仕服の明るい緑が素敵です。中の器も内側が織部風の緑だったり心憎いばかりの取り合わせで、どこかアジアン・テイストもかんじられます。淹れていただいたお茶は、カレン族の摘む野生のお茶だそうで、独特の香りがしました。その香り、紅茶のラプサン・スーチョンに似ている。
金色の茶托はお手製だそうでした。口に出すとあまりキザ過ぎて恥ずかしいから黙っていたけど、この緑と黄金の組み合わせって五月になるといつも思い出すアルチュール・ランボーの「黄金時代」っていう詩のイメージぴったりなんですよね。私の緑金の五月そのものの色でした。
次は「クリスマスの箱」
これはカワイイ!悶絶もののキュートネス。写真、奥のほうにゴチャッと置かれていますが、箱の包みも小公女のマフを思わせるあったかそうなしつらいでした。
黄金のバンビも漆塗りなので手に取ると儚いほど軽いんです。こんなにモダンな茶箱なんて、ちょっとないですよね。その上モダンなのに何処かレトロな味もあってしびれます。アンティークとガジェットが絶妙に組み合わせれていて、感心してしまいます。雰囲気ぴったりのものをものを引き寄せる超能力をお持ちだとしかおもえません。
最後は「蓮池」蓮の意匠いろいろです。しぶい。
来年、楽しみだなぁ。十二ヶ月の茶箱。
そうそうおいしくってきれいな御菓子もいただきました。「菓遊庵」金沢の新しい御店だそうです。金沢、さすが奥が深いな。
眼福の一日でした。