やきもの日和

やきものを作ったり俳句を作ったり

装飾主義

やや秋めいて、上絵

秋の気分で 古今集秋の部一番秋立つ日詠める 秋来ぬと目にはさやかにみえねども風の音にぞおどろかれぬる 藤原敏行朝臣 誰でも知っている歌ですが、歌の通り、まだまだ暑いことは暑いけれど風は秋めいてきたな、と感じます。誰しもが無意識に感じていたこと…

鶴を描く

鶴は今までにも色々描いてきました。それで、蕎麦猪口に描いて欲しいというご注文を気楽に引き受けたものの、なんだかうまくまとまらない。夕食を食べながら手近にあった紙に、なんとなく描き始めてしまった。お行儀悪いですね。 いつも広告の裏とかに描いて…

モンスター・マスク  芙蓉手大鉢

芙蓉手といわれる焼き物は中国明末の万暦(1570~)時代に景徳鎮で焼かれた染付です。小深い鉢が多く、その芙蓉の花のような麗しい形からか、描かれた草花文様からなのか、芙蓉手と呼ばれてきました。 主に西洋にはこばれて珍重されてきたようです。 繊…

鼎文様の皿

染付の八寸皿が焼きあがりました。鍔がついているので轆轤でいったんひいてから内型でしあげます。まんなかに描いたのは鼎です。鼎文様のことすこし書いて見ましょう。 鼎は古代中国の青銅器にはじまります。三本の脚のしたで火を焚いておなべのように湯を沸…

花をまちながら

そろそろ桜前線の北上がニュースになるころですね。 桜の花はお皿や碗やさまざまなものに描いてきましたが、ふとみるとこの湯ざましはちょうど桜の花びら形。 五種類の薬味でも珍味でも盛り合わせて、空になったのから散らしてゆくのはどうだろう、なんて遊…

唐草唐草

唐草文様は不思議だ。壺の曲面や四角い額縁や、どんなかたちの上でも自由に増殖し繁茂して埋め尽くす。それ自体が命を持っているかのように見るものの視線をその渦の中に巻込んでゆく。 数千年も昔から人は唐草文様を描きつづけてきた。人のDNAのなかには…