やきもの日和

やきものを作ったり俳句を作ったり

鼎文様の皿

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 染付の八寸皿が焼きあがりました。鍔がついているので轆轤でいったんひいてから内型でしあげます。まんなかに描いたのは鼎です。鼎文様のことすこし書いて見ましょう。

 鼎は古代中国の青銅器にはじまります。三本の脚のしたで火を焚いておなべのように湯を沸かしたといいます。元来、神器ですから吉備津神社の鳴釜神事のようにその音で吉凶を占ったのでしょうか。胴部分には精緻な文様が施され、漢字がでませんが「トウテツ文」という怖ろしい神様の顔などが有名です。怖ろしい顔で邪悪なものを避けるというのは日本の鬼瓦もそうですね。そういえばトウテツと鬼瓦ちょっと似てるかも。
 やがて鼎そのものが権威の象徴となり、大きな鼎をもつことがそのまま偉大な王である証しとなりました。いまでも「鼎の軽重を問う」という、ことわざにつかわれていますね。
、日本に伝わった鼎文様は、望みを叶える「かなえ」と音が通じるのでことに縁起の良いものとして喜ばれてきました。
小さな文様一つにも人々のさまざまな思いがこめられているのですね。