七月二日、半夏生 窯出し
窯を開けてみたら、なんだか焼き上がりの色が沈んでる。
どうしよう、明け方四時に1280℃になってそれからたっぷり"ねらし”もしたから焼きが甘いはずはない。
窯が古くなって、還元のかかりが悪いのか、 少し風があったから、どこかから酸素たっぷりの風が入ったのか。
磁器は800℃くらいまでは普通に焼きます。酸化焼成です。その後、還元焼成で1300度近くまでもっていきます。
窯の中で酸素を少ない状態にして焼くのが還元です。例えば動脈の血はヘモグロビンに酸素がいっぱいで赤いけど、組織で酸素を使って静脈に入る時、血は青くなってますでしょ。それが還元作用です。鉄分が酸素を失うと青く見える性質を利用した釉薬に、青磁があります。雨過天晴の色ですね。
還元に失敗すると、黄色っぽくなったり、鼠志野みたいな色になったりします。
あああ、今回はそれなのか~!失敗なのか~!
頭痛がしてきたので、気分を変えようと買い物に出ました。
梅雨の晴れ間の空が恐ろしいほどきれい。でも雲が絶滅した生き物たちに見える。
お隣の猫さんが遊びに来た時に内緒で上げるおやつなど買って、やや気を取り直しました。
ともあれ、窯出し。
あらためて見ると、思ったほどではありませんでした。最初に目に入った辺りが一部分色が冴えないけど、下の方は。普通。
ほっとしたらもう夕方。
明日からは色絵の絵付けに入ります。