やきもの日和

やきものを作ったり俳句を作ったり

三月の連句会

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歌仙「「御代の春」の巻も初折の裏にはいりました。

表の最後は

時代まつりの笛の音かすか  梶

さて初折裏の一句目は


 読みふける「水底の歌」秋時雨  平井


「「水底の歌」は梅原武の1970年代に発表した著作。「柿本人麻呂論」と副題があるように石見の国へ流刑になり死罪になったというそれまでの国文学の伝統に一石を投ずる内容で論議の的となりました。その頃の梅原は「隠された十字架・法隆寺論」など次々面白い本を表して、「梅原古代学」、「怨霊史観」等と呼ばれる画期的な思想を展開しました。私もその当時よく読みました。一気読みしたせいで、どれがどの本に書いてあったことか、ごっちゃになってしまってきちんとおもいだせないですけどね。

 前句の「音」に「歌」の字はちょっと近い気もしますが、内容的には「歌」といえど文学上の事なので。

次は無季の七七おねがいしました。

    AIの書く小説熟れて  西


ああ、ご時世ですね。私はこの年まで「「趣味は読書」でやってまいりましたのでかなりひねた読み手になっちゃったのかなと思います。、ケータイ小説とか正直何がおもしろいのかわからないです。
AIの書く小説、どこか狂っていてくれたら、それなりにおもしろいかも。

  トンネルを抜ければ父祖の峡の里   正藤


なんとなく文学づいた始まりだった初折の裏、「トンネルを抜ければ」そこは谷深い父祖の地であった。無季の句は難しい。

  ネクタイゆるめ手足を伸ばし  弘美


前句の「父祖の里」にすなをにつけた七七。


 瀬の音に空押し上げて冬木立つ  笹次


峡の冬景色、ここらで自然詠がほしかったのでいただきましたが、あらら、「音」が入ってる。手直ししたはずなんだけど。
次回もう一度けんとうしてみましょう。次は冬の七七



 ひととき回る勝ち独楽の恋  弘美


勝ち独楽の恋!かっこいい!「独楽遊びの少年同士の恋かなー」と私が当たり前の感想を漏らしたところが「なんと浅い読みだ!」とばかりさまざまのご意見風発!
とんでもなく恋の達人ぞろいの句会であったと再認識させられました。