やきもの日和

やきものを作ったり俳句を作ったり

六月の連句

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歌仙もいよいよ名残の裏へはいります。
さて、先月は冬の句

十一句 咳けばショウウィンドウに己が影  梶

十二句   毛皮羽織れば街の華やぐ  西

という展開でした。

名残裏一句

 犬に服着せて散歩の老夫婦  中江

をいただきました。前句では人間が毛皮を羽織ったのですが、こんどは犬が服を着る、というユーモラスな展開。


二句目  手押し信号押すのを忘れ  佐藤


街の景色が続きますが、信号を押し忘れるところに、どこか春が遠くない気配が漂います。



三句め 川底の小鮒に届く春日射し  正藤

春になりました。日差しに明るむ水底の春。小学唱歌(?)泥鰌っこ鮒っこみたい。



四句目  耳をすませば初音かすかに  正藤

早春の川辺に来た人物は川音のなかに、鴬の初音を聞き取ったのですね。美しいながれです。

さて、つぎはいよいよ花の句です。
実はこの「雪吊の巻」の発句をいただいた岸本葉子氏から、花の句を御投句いただいたのです。
この場への挨拶の込められた句を始め、、どんな流れにでも対応可能なようにとのお気遣いもあたたかに、七句も頂戴して、とてもうれしく有難いことでした。
そのなかで連中全員一致で選びましたのがこの句です。


花の定座 白壁にふるるばかりに花の枝  岸本



ふるるばかりだけれど触れてはいない壁の白さ。触れたら途端にこわれてしまうだろう花のあやうい脆さと美しさ。作者の繊細さの表れた一句です。
さて揚句、うう

園丁の背に暮れかぬる春  橋本

なんか煮え切らない揚句ですみません。
さて、時間があったので、じかいのかせんの発句まで、もう考えちゃいました。

七月の歌仙「蛍の巻」

  発句 蛍火の一つ灯りて二つ消ゆ  正藤

上手い。上手すぎる。
付けを考えるのにプレッシャーかかりそう。