やきもの日和

やきものを作ったり俳句を作ったり

雪吊の巻

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このところ連日降雪で、雪掻きに追われ、ついつい歌仙のアップが遅れてしまいました。。

一月から新しい歌仙がはじまりました。

実は発句は去年師走にすでに岸本葉子様から、いただいておりました。


 雪吊を仕上げて松の青さかな  岸本

 北陸の風土への挨拶のご配慮も行き届いた、発句らしい、すがすがしく格調のある御句ですね。
冬になると金沢兼六園の雪吊の光景は必ずTVで流されます。
あの大きな松の木のこずえより高く、支柱を立てて雪吊をするのは、すごいおしごとなんですよね。大役を果たして古木の松を眺める植木職の棟梁の姿も浮かびます。

脇は芭蕉の館館長に付けていただきました。



 足湯に集い除夜の鐘待つ  平井

山中温泉の除夜の風景が、目に見えるようです。


三句目 カーテンに映る鳥影朝日さし  正藤


 無季の句をお願いしました。それでもどことなく、透徹した冬の光のような空気感があります。きれいな句ですね。



四句目 画布をはみ出す志功の飛天   笹次

鳥影と思いきや、飛天であった。志功なら天女の方が良いのでは、という御意見もありましたが、前句からの流れから、より軽やかな飛天の方が好ましく思われました。


五(月の定座)山寺の薬壺に届く月の道  佐藤


 ここは秋の月でいただきました。冬の句で始まって秋の月になるのは芭蕉の七部集にも例がございます。
句意は、ご本尊かどうかわかりませんが薬師如来の持っていらっしゃる薬壺に、月光が届くというとても美しい月の句です。
あ、三尊像だったら阿弥陀三尊の脇侍の勢至菩薩も…あれは水瓶でしたか薬壺ではなかったかな。


六句  垣の端より瓢の垂るる   西

さりげない付けですが、あじがあります。
前句のお寺の光景を受けて、塔頭の一つでしょうか。寺域の片隅に瓢が植えられている。
ただの御野菜より禅味というか俳味があります。
瓢は瓢鯰図などに絵描かれるものですから。

あっという間に初折り表おわりました。雪が降り出しそうだったので早めに終えたけど名吟いっぱいで楽しい連句会でした。