梅雨入り前の美しく晴れた日。
金沢の茶箱作家さんがお見えになって新作を披露してくださいました。
両掌に乗るくらいの小さな茶箱の中から、お点前の道具一式が、魔法のように現れます。
しかもそれぞれが、ぴったりの仕服を纏っているんですから、その愛らしさと言ったらもう、筆舌に尽くしがたいものがあります。
最初の茶箱はベトナム?だったかしら、東南アジアの古い籠に、作者が手を加えたもの。編地の藍の変色具合も泣かせます。
中に組んだ煎茶道具でまずはいっぷく。極小の茶托に合わせて白磁の盃は特注なさったのだそうです。(写真1)
二つめは、どこか懐かしい真っ白な薬箱みたいな小箱から、夏の日の思い出のような組み合わせ。
貝殻や流木まで、あしらわれています。(写真2)
仕服の裏の生地まで、イメージ通りの色合いに染め直していらっしゃるんですって。
軽やかに楽し気に見えますが、ご自分のイメージのためには、あくまで妥協しないところがすごい。
そうでなくてなこのレヴェルは保てませんよね。
なんだか、一段と洗練されてきましたね。
眼福の一日でした。