やきもの日和

やきものを作ったり俳句を作ったり

読み初めというのも、なんですが、

話題としては遅きに失してますが。、今も読んでるので。

まず古井由吉の「神秘の人々」。以前図書館で読んで印象に残っていたので買いました。読み始めたのはクリスマスのころですが、年末年始は忙しかったので、雪に閉じ込められている間にまたページを開きました。雪の日は読書には良い日です。静かだしだれもこないし。

 古井由吉は、日本語の作家では(古典を別にすれば)一番好きかもしれない。氏の「仮往生伝試文」は、わたしのオールタイムベストってやつです。

「神秘の人々」ではイタリア、ドイツの神秘家の文章をめぐって、考察をめぐらしていくのですが、プロの翻訳家のすごみを感じさせる深さです。私なんか、ド素人ですから、外国語で読んで、まちがった読みをすることなんか、まったく気にしていません。自分が面白ければいいだけですし、むしろ、創造的大間違いっていうのが、できた良いな、と思ってるくらいです。

 だから、緻密、めん密、重厚、精緻、等々の事柄には、まったく無縁のままです。反対のものに惹かれるって本当なんですねー。

 

 本の上の、竹のモノ。毎年二月初めに、石川県加賀市菅生石部神社で行われる竹割祭りで、割られた青竹の破片でした。

正しくは「ごんがん(御願)神事」というのだそうですが、海幸彦と山幸彦の戦いのまねびのついでに五穀豊穣を願うというよくわからない由来のお祭りです。物語は後付けで、むしろ土着的な形を残しているのかもしれませんね。

青竹をたたき割るというかなり激しい祭りなので、当日は飛び散った破片で頬のあたりを切ったり、白衣に血が飛んだりしている人が、平然と歩いている光景が見られます。竹の欠片は持って帰ると御利益があるというので、私もひとひらいただいて、頭を丸めて、ペーパーナイフにしたというわけです。

お祭りの前には、雪が消えていてほしいなー。

そのほかの本についてはまた後程。