辛夷やオガタマノキなど樹上の白い花は去ってしましましたが、地上は今白い花の季節です。山芍薬は一族一種の孤高の花。レッドデータ入りして久しいので,今年も咲いてくれてうれしい。
つぎつぎと人死ぬ小説山芍薬 おるか
延齢層は山道で見かけますが、白花はめずらしい。
工房玄関前の白山吹
白山吹も確か、一族一種だったとおもいます。山吹のアルビノではなく花びらが四枚です。実がたくさん成ります。
去年の嘘覆ひて白山吹の花 おるか
「みの一つだに無き」といったのは大嘘でした。
もっと小さな花も、いろいろ。
うつ向いて可憐な稚児百合もずいぶん増えました。
百合若の隠岐に稚児百合さくころか おるか
日陰で細々と咲く一人静。雑草と戦うには弱弱しすぎる。減らないようにするだけで精一杯です。
一人静ショパン弾く間を揺れやまず おるか
か弱い印象の白い花々の中で、丈夫でこまるのがこのホウチャクソウと鳴子百合。芽立ちの時はよく似たものの両者ですが、ホウチャクソウのほうがなんとなし品があると申しましょうか。仏塔の風鐸に似ているという名前の由来も一因かな。
鳴子百合のほうは、その名の通り、ずらりと並んだ花が鳴子みたいなのは,言い得て妙なのですが、見ているだけでなんかうるさいような気がしてしまうんです。名前って大事ですね。
風鐸草空の深さをしるらしく おるか
けものみち消ゆるあたりの鳴子百合 おるか