写真は、山中温泉からトンネルを抜けた先、「竹田の里」の枝垂れ桜祭」の夕景です。
連句会の後でひとっ走りしてきました。夜はライトアップされるんですね。それ見たかったな。
枝垂れ桜はそれほど大樹ではありませんが、これほど枝垂れのみが集められているのはさすがに珍しく、静かな山影を背景に壮麗でした。
さて、連句です。今日は、名残の表になりました。先月は花の定座の後、郷土色もある、老いらくの恋。、
手を取り合って吉崎詣 梶
まででした。
名残初句は無季で、恋もそろそろ終わりの気配です。
名残表
水郷の小雨に烟る別れかな 正藤
正統派です。「かな」ときれじをつかっても名残の折立ですから。
吉崎詣の吉崎御坊というところは海に近く、昔はかなりの低湿地帯だったようです。
あやとりはしを行きつ戻りつ 佐藤
恋離れをしてもそこはかとなく逡巡の気配の漂う上手い付け。
実は、私も「水郷」から「橋」の連想で「ため息の橋くぐるゴンドラ」とヴェネツィアの風景にしたんですが、やっぱり多少突飛すぎて、次の展開が難しそうでしたね。
さて、次は夏の長句
石仏の並ぶ山道雲の峰 平井
いかにも夏!という一句ですね。
祇園囃子のかすかに聞こえ 平井
芭蕉の館館長の句が二句ならんでしまいましたが、面白い付けだったのでいただきました。
この付けから、石仏の山道が京都の辺りの愛宕山とかかなーと想像されます。
この川のくらわんか舟賑わえり 梶
かつて淀川は水運の中心としてそれは賑やかだったとか。中でも小舟に簡単な食事を「くらわんか」とぞんざいな口調で売り歩く女たちの舟が名物だったそうです。そのお椀も「くらわんか」とよばれています。ざんぐりした味わいがおもしろいんですよね。
明かりを消してその時を待つ 正藤
おおお意味深ですね。くらわんか舟の女性たちは、夜はそういうお仕事もしたとききます。それでなくとも、前句の、やや堅気の人とは言い難い気配をとらえて犯罪とか談合とかの闇の世界のこととも取れます。
祇園ばやしから、西国情緒が楽しめたはこびでした。
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