十二月。2023年の暦が最後の一枚になってぺらぺらと寒そう。
それなのに、仕事が進まない!十一月に窯を焚く予定だったのに、細かいものを何かと仕上げているうちにあっという間に日が経ってしまった。焦る。
でも、お茶の時間は削れませんので。 その三十分ほどのあいだに、ちょこっと本を読みます。十二月一日に読み始めた本は、「聖母像の到来」です。クリスマスまで、毎日少しづつ読み進めていくつもり。アドベント読書です。
序論に、「十六七、世紀世紀における近代世界システムの構築期において、東アジアに進出したポルトガル・スペイン国家の世界征服・世界市場形成に随伴してカトリック教会が行った布教活動によって、日本にもたらされた、キリスト教美術を問題とする。」とかかれています。非常に精緻で、同時に広い視野のある名著です。この著者の本「マニエリスム芸術論」「薔薇のイコノロジー」等は、わたしの座右の本です。「女性画家列伝」もおもしろかった。翻訳も、すごい。マリオ・プラーツの著作を訳せるのはこの方を置いてないだろうと思ったものです。書ける方なんですね。文章にリズムというか、張りがある。小説も、もっと書いてほしかった。
ですから、訃報に接したときはショックでした。もうこの方の新作が読めないなんて、花咲く森の小道をたどっていたら、急に断崖絶壁にでてしまったみたいでした。
でも本は何度でも読み返せるから。プルーストも作家ベルゴットの死の後に、書店に並ぶその著書を眺めて作家は本当に死んだのか?いや永遠の生命のようなものがあるのではないか、と思ったりしてますものね。
冬紅葉読むことが忌を修すこと おるか
金色の落ち葉得て我がアドベント おるか