2022-05-24 朴の木、莟三つ 里山歳時記 さながら宝珠のごとく 麗しの五月。木の花の中で、もっとも香しいものの一つは朴でしょう。 「風薫る」と言いますが、朴が咲くとその言葉が実感されます。 100メートル先くらいから「どこかで朴が咲いているな」とわかります。他の木の香りもする中で、ひときわ天上的なかおり。 泰山木も良く似た香調で、より妖艶な甘さがあります。辛夷はもっと涼しい。 世の中の事がどうでもよくなって、ひたすら嗅いでいたくなります。この花の香りの下で死にたい。 朴の木に寄るや五月の死者羨し おるか