やきもの日和

やきものを作ったり俳句を作ったり

朴の木、莟三つ

さながら宝珠のごとく

麗しの五月。木の花の中で、もっとも香しいものの一つは朴でしょう。

「風薫る」と言いますが、朴が咲くとその言葉が実感されます。

100メートル先くらいから「どこかで朴が咲いているな」とわかります。他の木の香りもする中で、ひときわ天上的なかおり。

泰山木も良く似た香調で、より妖艶な甘さがあります。辛夷はもっと涼しい。

世の中の事がどうでもよくなって、ひたすら嗅いでいたくなります。この花の香りの下で死にたい。

 

朴の木に寄るや五月の死者羨し     おるか