やきもの日和

やきものを作ったり俳句を作ったり

柚子の香り

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時雨に煙る柚子の木の、

濃緑の葉陰に黄金の実。

ことしは豊作なのかしら。柚子の香りは渋みがあって、奥ゆかしい。初夏の柚の花の香りも、さわやかで捨てがたいけれど、皮に刃を入れたときの清冽な香は、圧倒的です。ほんの一片でお料理のグレードが上がります。良く、日本料理は、目で食べる、と言いますが、鼻でもかなり食べていますよね。

 勿論、部屋に置いておくだけでも、香りは静かに広がって、人けのない部屋の沈黙が豊かなものに思えます。

旅行の時の香りに、アトリエ・コロンの「オランジュ・サングイン」を持ってゆきます。オーデコロンの、さっぱりした印象なのにおどろくほど香りがながもちします。柑橘類の皮には殺菌性もあるので、旅先で手を汚した時など、アルコール消毒代わりに、一吹きしたりします。オランジュ/サングインは普通のオレンジより、柚子っぽいというかオレンジと仏手柑の間というか、落ち着いた香りなので、周りのご迷惑にもならないのではないかと思っています…が、もし匂いがうるさかったら、申し訳ないことしちゃったのかもしれない…。

  柚子に日の残りて昔住みし家  おるか