やきもの日和

やきものを作ったり俳句を作ったり

禁断の味!

イメージ 1

イメージ 2

 よく、「日光をみるまでケッコウ!というな」という笑えるのから、「ナポリをみるまで死ぬな」というのまで「~まで~するな」という 表現がありますね。
 私はマジで言いたい。
「長沖のノドグロを食べるまでノドグロを食べたというな」と。
絶品でした。油ののったノドグロの焼き物。

 それから、焼き物にはよく切ったレモンなど柑橘類が添えられていますね。あれを絞る時どちらをむけてしぼりますか?
 教えていただきました。皮のほうを魚に向けて搾るんだそうです。すると皮の香りがちゃんと魚に届く。
皮の香り!なるほどとおもいました。青柚子なんか特に皮の香りがいいですものね。
その上、種が飛ばないし。
一つ勉強させてもらいました。

 そしてお鍋は、なんと子クジラと蕨です。
能登の沖でクジラが定置網にかかることがあるそうですね。子クジラは発見が遅れると死んでしまいます。もちろん子供のクジラは獲ってはいけませんが、死んでしまったら、もったいないですから、この老舗料亭には連絡がはいるのだそうです。一年に一度くらいはあるそうです。
 というわけで、このお鍋はまさに禁断の味!
 私は今までクジラというものをそんなに食べたことがありませんでしたが、とろけるような油が細やかでやさしいのです。「これは!」と絶句するおいしさでした。
 谷崎潤一郎がたべていたら小説「美食倶楽部」のどこかできっと触れずには置かなかったろうなと思いました。そんな妖しい幻想さえ誘う美味でありました。
 残念ながら私にはとてもこの子クジラの味を表現できる文才がありません。

取れたてのお魚のお造りや和え物などおいしいのは言うまでもないので、敢えて載せません。

朱漆の碗のような太陽が沈んでゆく日本海の、賜物を堪能させていただきました。
安宅関にほど近い料亭長沖。目の前の住吉神社の森でアオバズクが鳴いていました。