おるか カメラを向けると半眼になってしまうミケ
ああ、翡翠の底に黄金の沈んだその瞳の美を、なんと嫉妬深く隠そうとするのか…!
ミケ 寝てるの邪魔されるのが嫌いなだけよ。ガルル。
ミケ それにしても表現がありきたりね。さすがにボードレールの「悪の花」のなかの「猫」などは、わたくしも好きだわね。
「猫} ボードレール
おいで美しい私の猫よ
愛するこの胸にまた爪を立ててくれ
瑪瑙と金属の溶け合ったその美しい瞳に
この身を沈みこませておくれ。(後略)
ミケ 「午後の歌」 のなかの栗毛の恋人、あのクッションの好きな淫蕩な女だってどうも猫みたいだし。やはり「悪の花」のなかの詩「猫たち」には「恋人達も賢者達も猫を愛す」とあったし。さすがだわね。
わたくしからも一言付け加えておくわね。
猫を愛さぬもの、詩人ではニャァ!
ニャァ! ニャァ! ニャァ!(以下略)