やきもの日和

やきものを作ったり俳句を作ったり

そぞろ寒

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秋の日はうつろいやすい。こんな日はふっくらお座布団が恋しくなるのニャ。

久留米絣の模様はツバメ。ツバメたち今頃は南の国についたかのぉ。


さてさて萩原朔太郎の「猫町」にあるでしょ?
「その頃私は、北陸地方のKといふ温泉に滞留して居た。」って。それってこの辺なのかもしれないニャ。主人公が思惟にふけりながら山道を歩いたのも、きっとこんな風に不思議なほど美しい秋の日だったにちがいないな。美しいものも人を狂わせるからね。

「人は私の物語を冷笑して、詩人の病的な錯覚であり、愚にもつかない妄想の幻影だと言ふ。だが私はたしかに猫ばかりのすんでる町、猫が人間の姿をしてして、街路に群集して居る町をみたのである。(中略)私は今も尚固く心に信じて意る。あの裏日本の伝説が口碑してゐる特殊な部落、猫の精霊ばかりの住んでいる町が、確かに宇宙の或る何所かに、必ず実在して居るにちがひないといふことを。」

ウン、信じる信じるよ。日照雨が通り過ぎた後の秋の夕暮れに、猫町の通りの胡弓をこするような低い音が遠くで哀しく聞こえてくるものニャ。