右側のお皿、泡のようなものがご覧になれますか?縁のあたりも変形しています。
窯に入れて焼くまでは、普通の中皿でした。
生地の中の空気が膨らんで、やきあがったらこんなふうになっていたんです。裏側もかなり膨らんでいます。普通、空気が入っていると、1300度の高温で膨張して破裂しちゃうのですけど、この皿は、これだけ空気が入っていたのに一つも爆発しないで止まったんです。奇跡です。
こんなにたくさん空気が入っていたのは信じられないほど不運ですが、破裂しなかったのは、ありえないような幸運なので、幸か不幸かわからないお皿です。
左の兜鉢は見込みにも怪獣が遊んでる図、「怪獣たちのいるところ皿」です。
祥瑞手水指は上がりが良かった。焼き物は、最後に窯の中で思いがけないことが起こるのが不安でもあり、面白いところでもあります。
窯出でし皿りりと鳴る星月夜 おるか