上絵の窯を出しました。
天地のうららや赤絵窯を出づ 水原秋桜子
上絵の窯を出すときは必ず思い浮かべる俳句です。「うらら」「うららか」、は春の季語ですが、この句の、新しく生まれた器達を寿いでくれる響きが嬉しくて、一年中思い浮かべています。
寿ぐ,言祝ぐと書いたりしますね。ことほぐって、大事ですよね。言霊を信じているわけでもありませんが、良き事あれ、と祈るのは、自然な気持ちでしょう。
さて今回の窯の上がりぐあいは、うーん、やや焼きすぎたか…。まぁ、これが最高だ!と思ったことって、ないのですけどね。
手前の薔薇紋様の皿、紫色はちょっと焼きすぎると茶色っぽくなってしまうんです。ユトリロの、赤にちょっと黑を入れた紫色に似ているといえば似てるでしょう?
またユトリロ紫になっちゃった。
窯の中がやや空いていたから、思っていたより温度が早く上がっちゃったようです。
窯を出て皿りりと鳴る星月夜 おるか 句集青花帖
星月夜は秋の季語ですけどね。もう八月だし。