ちかくの那谷寺まで紅葉狩りに出かけました。
家を出るときは、うららかに晴れていた空が那谷寺の門をくぐってほどなくパラパラと雨粒をこぼしてきました。
紅葉時雨というのでしょうか。空は明るく、梢は輝きながら、足下の苔の緑はしっとり潤っている。という具合で風情がありました。
石山の石より白し秋の風 芭蕉
の、句であまりにも有名な那谷寺。
この句を近江の石山寺ではないかという説もあるとききましたが、石山寺の有名な巨石は硅灰石でやや灰色が濃く、秋風と比べるまでもありません。
那谷寺の巨岩は渇いていると写真よりもっと白く、表面は雲母を刷いたようでさらさらとして、秋風と取り合わすのにさすがにふさわしく思えます。
柔らかめな石なのでしょう、境内の石段や石廊下(?)がすり減って丸みを帯び、苔むしている様子などなかなか良いものです。
特別拝観の券が必要なお庭もけっこうですが、それよりもそこから岩山の中をずっと丸彫りにしたほの暗い通り道がひんやりした石の気息がかんじられて、わたしなどは、すきです。
日本の紅葉の煙ったような微妙な濃淡の妙は独特ですね。
紅葉時雨に御池の鯉が、興奮したのかあばれまくっていたのがカワイかったな。