年縞とは漢字の通り、年ごとに積み重なった土の層が縞になってみてとれるもののこと。
木の年輪が年によって成長が違うように、年縞もそこに含まれる花粉などから、その年がどんな気候であったかなど様々な情報がよみとれます。
三方五湖の一つ水月湖の底に堆積した泥をパイプで垂直に切り出してスライスして観察するんですね。湖の底にたまった泥が積み重なってなんと7万年前まで連続した縞模様になって観察できるんですって。すごい。
私は、たとえば縄文海進の時代など、海水の比重とか違ってくるんじゃないか?とおもったんですが、水月湖は現在は汽水の湖ですが、それは、現代の工事でそうなったのだそうで、大丈夫だったとか。
そうなると、川などの流入の少ない湖はすぐ泥がたまって一杯になっちゃうんじゃないかとおもいますが、それが、近くの断層による湖底の沈み込みの速さとの絶妙のバランスによって、7万年まで連続してかんさつできるという奇跡の湖なんだそうです。
地球上に土ができて5億年だそうですから、その中の7万年は極表層かもしれませんが、人類にとっては遥かな昔です。中にはベスビオス火山の爆発や富士山の爆発(灰の分析でどの火山かわかる)の跡を知ることもできます。すさまじいのは桜島のある鹿児島湾を陥没させた爆発の跡で、九州の縄文人は絶滅したことがわかったり。
炭素14の年代測定では特定できない正確な年を特定できるって、すごいですね。
博物館自体の建築も洗練され、環境に溶けこんだ素敵なデザインでした。さまざまな賞を取っているそうです。お手洗いに入ってみたら、そちらはごく普通の機能的なものでした。残念。
鳥浜と言えば鳥浜貝塚です。お隣の縄文博物館にまわりました。
縄文人の生活のさまざまな様子がうかがえて楽しいけれど、土偶はレプリカが一つあるだけ、有名な縄文の櫛もレプリカでした。仕方ないのでしょうけど、ちょっと展示は残念だったかな。縄文の鹿笛の音は、忘れがたいものがありました。
その後、三方五湖の紅葉の中を走りました。汀の海の色がターコイズやタンザナイトの色で思わず奇声を発してしまう美しさでした。
写真の色はいまいちでしたねー。若さの山並みは、いかにも縄文人好みだと思いました。