紅葉かつ散る若狭の道。海のある奈良と言われる小浜の古刹明通寺の国宝の三重塔が今日は開かれています。散り敷いた紅葉がきれいだけれど、石段が滑って怖い。右の、こちらも国宝の本堂には、薬師の脇に、降三世明王と深沙大将の御象が並んでいます。坂上田村麻呂が創建した時は楪(ゆずりは)の木に彫られていたそうで、そんな巨大なゆずりはの木があったんだ!とそっちの方に驚いてしまいました。
冬隣の若狭の山河は静けさに満ちています。
奈良も京都も良いお寺がたくさんありますが、大都市周辺は様々な物音、交通の音、機械音など、それとわからない音の塊が薄い霧のように漂っていて音の壁の中に入っている感じがします。若狭には、それがない。真清水のように澄んで冷たい空気があるだけ。
若狭路の寺の古びた縁に座って、また、あの静けさを聞きに行きたいとおもいました。
でも少し怖いながめもある。
名通寺への道。なんか死屍累々って感じ。あ、いけませんね、大丈夫、ちゃんとお地蔵様がいらっしゃいます。