やきもの日和

やきものを作ったり俳句を作ったり

九月の俳画

九月になって、蝉の声より虫の声が良く聞こえるようになりました。

青猫の見つめる先にいるのは、蝉かトンボか。

以前かっていた猫は、トンボはとって食べていましたが、蝉はきらいみたいでした。

 

天地(あめつち)の色をあつめて毒きのこ  おるか

 

茸の色って、じみなものもありますが、地面の中にこんな色が秘められているなんて!と驚くほどあざやかなものも多い。

倒木や枯れ草などを土に返す大切なお仕事を担っている小さなキノコたち。

鮮やかな色彩は、土にかえってゆくものへのはなむけかもしれませんね。

茸や菌類とは不思議なものです。南方熊楠が研究したことで知られる粘菌も、脳もなんもないのに賢いので有名な奇天烈な生き物ですが、「粘菌の迷路抜け」という実験フィルムをみたことがあります。迷路の出口に食べ物(?)があって、粘菌は入り口から、もちろん早回しですが、元気よく進み、袋小路にぶつかっても、ぐずぐずわだかまったりせず、意外に早く迷路を抜けるんです。ブヨブヨしながら倦まずたゆまず進むすがたはなんだかおもしろく、天才熊楠氏を魅了した訳が分かる気がしました。