ある日、ふと、「この器、悪くないかも」と思う、ことがあります。
家で使っているのは、試作品とか検討中、とかが多いので、使いながら、考え込むことが多いのですけれど。
写真のマグは試作品一号で、この後、色絵や赤絵、染付の唐草、いろいろ作りました。
使い勝手を見るためにあまり考えずに描いたので、当時は絵のバランスがいまいちだと思っていましたが、なぜだか今日は、それでも愛おしく見えました。
時がたって、こちらの目が変わることもあるかもしれませんが、おそらく、使い込んだ味わいのおかげでしょう。焼き物は、使っていくうちに変化します。土ものでは顕著ですが、磁器でもそれは、あります。風合いが増します。
焼き物は、使ってもらって成長して行くんです。だから、百年後に、名品に育つのを頼みに、作り続けているようなわけです。
おもしろく古びて碗の花曇り おるか