やきもの日和

やきものを作ったり俳句を作ったり

花びら餅

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金沢のお正月飾り紅鯛

初詣の後、古九谷美術館へ寄ってきました。

 初詣に毎年三社をまわります。加賀一之宮の菅生石部神社にまずお詣りし、そのあと近くの愛宕神社へ回ります。愛宕神社は火伏せの神様だそうなので、年末に無事窯を焚いた御礼と一年の窯焚きの安全をお祈りしました。川を挟んで、ほど近いところに三つ目の大原神社が鎮座しています。大原神社の祭神はふつうイザナミノミコト様ですが、こちらでは木花咲屋媛さまもいらっしゃるとのこと。冬樹の桜並木もゆかしく思われます。寒風の中を一之宮へ戻る手前に、富樫の馬塚があります。

 

  いと小さき富樫馬塚ふゆざるる  おるか

 すっかり冷え切って美術館の茶房に転がり込むと、お正月飾りの華やかな色合いだけでもう暖かい。桃は邪気を払うから、なるほどですけど、紅鯛に猫も一緒なのね!何でもあり感が、なんとなくめでたい。

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そして、花弁餅。薄いお餅に透ける、夢見るごときほのかな紅色。まさに繭にこもった新しい魂のよう。

若草色の物体はヒカゲノカズラです。神聖な植物(シダだけど)として、古事記などではよく鬘として髪に結ったりしています。家の裏手の山にも生えていますが、こんな すくよかなのは初めて見ました。なるほど、これなら万葉の乙女の黒髪にも映えることでしょう。

なんだかいいものを見ました。

 初鶏の軋むがごとく鳴きをさむ  おるか