朝の夢の名残の中でうつらうつらしていた時、ピロロロ~という優しい声!
飛び起きました。十年ぶりに聞く赤ショウビンの声です。
窓からこっそりのぞくと、いました。朴の木から飛び立って、川の上の電線にとまっています。
写真を撮りましたが小さすぎて、点のよう。文字通り紅一点です。
おわかりになりますでしょうか。
梅雨時のしたたるような濃緑の中に、悲しいまでに赤い。
廻りの葉茂みの中を、他の小鳥たちは群れになって賑やかにわたっています。その姿はあまり目立ちません。ただ小枝や葉の動きで、それとわかるだけです。
赤ショウビンは一羽だけ流れの上で首をかしげています。
派手やかな孤高。
赤も寂しい色だな、と思いました。
緑の中の紅一点と言えば、柘榴の花もそう。我が家の柘榴は花柘榴。実はなりません。ただ子供のお弁当の定番、ソーセージの蛸そっくりの、小さな小さな、実とはよべないような、、すこし肥大した子房といったものをパラパラ落とします。
見つけると面白いけれど、眺めているうちに、こちらも何となくむなしく寂しい。