やきもの日和

やきものを作ったり俳句を作ったり

葉書俳句

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西原天気さん笠井亜子さんの葉書俳句第18号がとどきました。

笠井氏「水は」5句、西原氏「空へ」5句です。涼しげなイラストも素敵です。

  新緑の水は身体をすりぬける   亜子

木々の新緑の緑、その輝きは、たとえようもありません。
木々にその輝かしい緑を芽吹かせ、花を咲かせる力は、水の星地球の大地の中を走る水の力です。
人もまた同じその力を受け取っているんですよね。

以前、夢の中で、小さな器から一杯の水(?)を飲ませてもらったことがありました。その液体のあまりのさわやかさに目が覚めてから、地上の食物を口にしたくなくなってしまって、聖盃を見た三人の騎士のどなたでしたっけ「聖盃を目にした感動の薄れるときに死にたい」と望んだ方は。ガラハッド、、パーシヴァルか?ともあれ、その騎士のように夢の水の味を思い出すだけで満足できるんですよ。一週間ほどミント・エッセンスを垂らした水だけで暮らしたんですけど、まあったく辛くなくて。
今思うと、あれって、本当に聖盃だったんですかね。あの時死んでれば天国に行けたのかなぁ。
 長くなりましたが、その水の味を少し思い出させていただきました。


 蚊柱を連れみづいろの都まで   天気


みづいろの都ってどこだろ。この世の都かな。だったら、ヴェネツィアかしら。連想が月並みですみません。ちょうど昨日、モネのヴェネツィアの風景画をみたところなもので。

モネの絵、割と普通に描いてあるだけなんですけど、少し離れてみると水の輝きが言いようもなく美しいのね。
ウェールズ美術館所蔵のそんなに有名な作品でもないらしいですけど。
モネの描く水は、年を取って多少目が疎くなってから見ると本当に揺蕩って見えるのよね。

 蚊柱を引き連れて都へ赴く、流浪の王のような不思議な存在は、となたなんでしょうね。
蚊柱という儚いようでめんどくさいものの哀感が、いいお味です。