やきもの日和

やきものを作ったり俳句を作ったり

金澤 卯辰山の蕎麦処

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 金澤卯辰山に新しい手打ち蕎麦屋さんがオープンしました。
我が工房で仕事してくれていた浦さんの蕎麦猪口を使ってくださっています。
 というわけで昨日、浦さんと一緒に行ってきました。写真は蕎麦猪口を前に微笑む浦さん

金澤城をとおりすぎて、ほどなく、卯辰山の緑の中にはいります。菖蒲園を過ぎたところで「こ、この道、車通れんの!」と思わず悲鳴をあげる細い急坂を下ります。知らなきゃぜったいに入ってみようとは思わない道ですね。それがふっとひらけて蓮如堂の門を入ると小粋な佇まいに「卯」の字の暖簾がさらりと揺れています。まさに隠れ家的シチュエーション。
 お蕎麦はこの辺りには珍しく江戸風で汁も濃い目。通人ぶって蕎麦猪口にお蕎麦をつけるかつけないかでチュチュッ食べようと努力しますが、わたしはお蕎麦をいただくの下手なんです。粋に食べられないの。どうぞゆっくりお召し上がりくださいと声をかけていただきました。ハハ。
 飾られた江戸手拭の、萩に月の文様が季節感を先取りしています。金澤城も眺められてお月見には絶好の場所のようです。

 その後 炎天下、金澤21世紀美術館の「ヤン・ファーブルと船越桂展」をみました。船越桂の初期から最新の作まで網羅した展示は見ごたえありました。両性具有のスフィンクスの耳(?)って皮製だったのね。

「森の奥の水のほとり」という作品は、淡い地球色に青く塗られたトルソになんともいえない優しい乳房が息づいている。そして、肩から畸形の翼のように生えた手。
 夢見るような繊細さの底にたゆたうひんやりした哀感は、不吉な運命をすでに知ってしまっている者の諦念なのでしょうか。おろかな人類のジタバタを眺める涙を持たない天使のれんぴんなのか。ともかく美しかった。

その後県立美術館で、世界の辻口博啓のケーキを食べて返りました。大満足の一日でした。