やきもの日和

やきものを作ったり俳句を作ったり

キンポウゲ科の花々は

薄紫の一輪草とクリスマスローズ

 久しぶりの澄んだ青空。地上には、春のことぶれの草花。なんてきれい!一輪草とクリスマスローズが妍を競って東西キンポウゲ科対決!

 どちらも毒を含んだところが、ひとしお味わい深い。地上の全ての生き物に内在する死への欲望が、最もあえかな姿を取ったよう。

 すぐ散ってしまう滅びやすいものなればこその、つかの間の輝きは、天使の知らない美というもの。あえて断言しましょう。滅びを知らない天使は、いえ神でさえも、この世の無常の美を味わうことはできない。

 無常迅速、一期一会等々、若いときはそれなりに分かったつもりでしたが、年の行った今の、骨に沁み込むような孤独は、無邪気な天使の思い及ばない大人の味。なかなかおつなものです。淡い淡い薄紫の毒の味。ほろ苦さこそ、春の味です。

 

短命の小鳥すばやき木の芽冷え   おるか