雨にぬれて紫陽花の咲く風情は、いかにも日本的ですが、その通り、紫陽花の原産地は日本なんですものね。
シーボルトが西洋に紹介して、長崎での恋人 お瀧さんの名前を学名に残したのもよくしられています。
漢字の紫陽花は、もともとは別の花だったともいわれますが、花の姿によく似合っていますよね。
写真はオカメ紫陽花と柏葉紫陽花。ガクアジサイは日当たりの悪い裏庭に群生しています。山道にもガクアジサイや蔓紫陽花などがさいています。さすが原産国、品種が多い。
西洋で品種改良されたいわゆる西洋紫陽花も、独特のけだるさみたいなものあって、好きです。
ヴィスコンティの「ヴェニスに死す」の中で、主人公アッシェンバッハが美少年タッジオを初めて見て「ほとんど畏れおどろくような」思いを抱くシーンがありますが、その豪華なホテルのロビーに褪紅の紫陽花がいっぱいに活けてあったのがわすれられません。タッジオ君、本当にきれいだったなー。独特の抑えた赤の紫陽花を選んだのもさすがヴィスコンティだとおもいました。
紫陽花や帷子時の薄浅葱 芭蕉
芭蕉の句の中で、お洒落なダンディズムを感じさせてくれる珍しい句のような気がします。
あぢさゐやきのふの手紙はや古ぶ 橋本多佳子
美人で有名だった方の句。ものうげな感じがすてき。
これらの句の後で自分の紫陽花の句をのせる度胸がない凡人の私。