やきもの日和

やきものを作ったり俳句を作ったり

白桔梗

 雨に濡れてひときわ痛々しい白桔梗。白い花が死者に捧げられるものなのは洋の東西を問いません。

 宗教学者のМ・エリュアーデは「死者は人間の形態から樹木の形態になる」と書いています。ギリシア神話では、夭折した美少年たちは花になります。日本では花さか爺さんの犬も死んで木になりました。

地中に根を伸ばす植物は、冥界と地上をつなぐもの。死者の思いを伝えてくれるのかもしれません。

 漱石の「夢十夜」の「第一夜 私の墓のそばで百年待っていてください」と言った女の墓から生えたのは真っ白な百合でした。

イギリスに樹木葬の、とてもきれいな墓所がありますね。あんなところに葬られたいと心の底から思いましたが、どう手続きしたらよいのかわからない。残念です。まぁ私の墓に生えるのは雑草でしょうね。

  父母の亡く手折る桔梗に乳のあふれ  おるか

 

ゴムの木やイチジクなど 白い樹液のでる樹木はいろいろありますが、草にも白い乳を流すものがあります。タンポポ、そして桔梗。花を切るのは、そうでなくてもゴメンねな感じなのに、白い液まで流されると、ひとしお罪悪感増しますね。